更新日: 2021.10.05 相続税
親子で行う相続税対策!大きな効果を得るには早めの対策を
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
◆お問い合わせはこちら
https://www.secure-cloud.jp/sf/1611279407LKVRaLQD/
2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
親子で相続税対策をする理由
親と子で相続税の対策をするべき理由は、相続が双方に関係することだからです。生前に親が1人で対策を行っていても、その内容や意図などが子に伝わっていなければ、思ったとおりの相続税対策とならないことがあります。
例えば、相続税対策としてよく使われる暦年贈与(財産を非課税の範囲で毎年贈与して相続税を最小限に抑える方法)においては、親が勝手に子の名義の口座に財産を移し、その事実を子が知らずに贈与が成立していない、また知っていても毎年の贈与に関する契約書を作成していなかったことなどから、贈与の事実や有効性を否定されてしまい、逆に相続税が増えたり、贈与税が発生するという問題も実務では起こっています。
また、1人で相続税対策を行う場合、やるべきこと、確認すべき事項などが多く、負担が大きくなります。それを親子で分担して行うことができれば、それぞれ最小限の負担で最大限の相続税対策ができるようになります。
これまでは面倒で、日々の生活も大変だからといった理由から相続税対策に消極的であったという方でも、親子で協力すれば心理的・物理的な負担が軽減されるため、対策に本腰を入れて取り組むことができる場合もあるでしょう。
相続税対策を早めに行うべき理由
相続税対策を早めに行うべき理由は、時間です。相続税対策は基本的に1日で完結するようなものは少なく、何ヶ月、何年と時間をかけて行うようなものが多くあります。
例えば前述した暦年贈与は、非課税で贈与できる範囲が年間110万円までとなっていますが、相続税の課税対象となる財産が2000万円あるとした場合、全ての財産を非課税で贈与するには単純に19年かかる計算になります。
仮に、この例で相続税対策を始めてから3年で親が亡くなってしまった場合、課税対象となる相続財産として1670万円が残ることになり、十分な対策ができなかったという結果になってしまいます。
人はいつ亡くなるか分かりませんし、けがや病気、老化などから十分な相続対策ができるような状態でなくなってしまう恐れもあります。相続税対策にはさまざまなものがあり、家族ごとに最適な方法は異なるので、早めに行うということは十分な対策のためには必要です。
【PR】「相続の手続き何にからやれば...」それならプロにおまかせ!年間7万件突破まずは無料診断
親子で相続の話を切り出すタイミングは?
親子とはいえ、相続の話を切り出すのはそう簡単なことではないでしょう。タイミングを誤ってしまうと、心理的な抵抗などから話し合いが進まないということにもなりかねません。
親子で相続税対策を行うのであれば、例えばどちらかが大きな病気を患ったとき、法事などで家族が集まったときなど、生死について考えるようなタイミングで切り出すと自然に話を進められるのではないでしょうか。
相続税対策は親子で協力して早めに行うのが効果的
相続税対策は親が行う、子が行うという形で進めるのではなく、親子で協力して行うのが効果的です。相続税の節税効果を高めたいというのであれば、できるだけ早期に親子で話し合い、相続税対策を始めるようにしてみてください。
執筆者:柘植輝
行政書士