「財産が少ないから相続はもめない」はウソ。財産が少ない家でも相続対策を行うべき理由とは?

配信日: 2021.10.23

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「財産が少ないから相続はもめない」はウソ。財産が少ない家でも相続対策を行うべき理由とは?
「うちは相続財産が多いわけじゃないし、相続争いとは無縁だろう」と考えてはいませんか。
 
実のところ、相続争いが発生するのは何も資産家や富裕層だけではありません。相続をめぐるもめごとは、相続財産が多い少ないにかかわらず発生する可能性があります。
 
今回は、財産が少ない家庭でも相続対策を行うべき理由について解説します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

遺産分割でもめる

意外にも財産が少ないからこそ遺産分割でもめて、相続争いに発展することがあります。財産が多くないため、各相続人が少しでも相続財産を得ようとしてトラブルとなるケースもあるのです。
 
また、相続財産の中に不動産などの均等に分けることが難しい財産が含まれている場合は要注意です。
 
相続人の1人が不動産を相続し、それ以外の財産を他の相続人が相続するなど何らかの方法で分けるのか、それとも全員の共有とするのか、はたまた売却により金銭化して相続するのかなど、分割の仕方でももめる可能性もあるからです。
 

相続財産が少ないことでもめる

相続財産が少ないこと自体が原因で、争いとなることもあります。
 
例えば、「こんなに財産が少ないはずがない」「誰かが財産を隠しているのでは?」「相続人のうち、誰か1人にお金を使い過ぎたからだ」などと相続人が言い出すことも考えらます。
 

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相続財産に思わぬ価値がついてもめる

「たいした財産がないだろう」と思っていたところ、相続財産の中に非常に高価なものが含まれていたと後で発覚することもあります。
 
そうした場合、誰がその財産を取得するかはもちろん、既に遺産分割が終わっているケースでは遺産分割をやり直すかなど、相続人同士で意見が分かれることもあり得ます。
 

相続人同士の関係性でもめる

いくら家族といえど、相続人間の関係が良好だとは限りません。表面上は良好でも、それぞれ裏で思う部分があったり、相続をきっかけに良好であった相続人同士が大いに争うというのは何も珍しい話ではありません。
 
例えば、相続人となる兄弟姉妹の中でも実家にあまり顔を出さなかった人がいたり、被相続人に多額の学費を負担してもらっていた、素行不良だった、という人がいる場合は注意が必要です。
 

負債の扱いでもめる

相続はプラスの財産だけでなく、マイナスの財産も対象となります。そのため、被相続人が残した借金やローン、保証人としての地位など、マイナスの財産を誰がどのように相続し、負担するかでもめることもあります。
 
特に、マイナスの財産が生じた原因に特定の相続人が関係していた場合は、相続でもめ事が起きる可能性が高くなります。
 

過去の家族や内縁の配偶者などが現れてもめる

相続人となる方には、被相続人が亡くなった時点の家族だけでなく、過去の配偶者との子も含まれます。本人には相続する権利がなくとも、それとは関係なく感情面などから過去の配偶者や内縁の配偶者が遺産相続に介入してくることがあるかもしれません。
 
また、財産が少ないケースでは特に可能性は低いですが、認知されていない子がいた場合、その方が認知とともに相続人の1人として相続分を要求してくることもあります。
 

財産が少ない場合でも行っておきたい相続対策は?

相続財産が少ない場合でも生前に行っておきたい相続対策は以下の4点です。


1.相続財産を整理して、プラスの財産とマイナスの財産を洗い出す
2.相続財産の価格を調査しておく
3.遺言書を作って相続分や遺産分割の内容について指定する
4.家族に知らせていない過去の配偶者や子がいる場合は、遺言書にその旨記載するか、生前に伝えておく

こうした対策を行うことで、相続人同士の争いが起こる可能性を減らすことができます。
 
なお、遺言書を作成する場合、遺言の方式や内容によっては遺言が法的に無効となったり、思っていたような効果が生じないこともあるため、専門家への相談をおすすめします。
 

相続財産が少ない場合でも相続対策を

相続財産が少なくても、相続争いは起こり得ます。そのため、財産の多い少ないに関係なく相続対策を行っておくことも必要です。
 
「うちは財産が少ないから相続でもめることはないだろう」と安易に考えるのではなく、本当に相続で問題が起こる可能性がないのか生前にしっかりと確認し、相続対策を行うようにしてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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