更新日: 2021.11.15 贈与

60代の両親が終活を始めた。贈与や相続、どう切り出す?

60代の両親が終活を始めた。贈与や相続、どう切り出す?
60代となり、老後にさしかかった両親が始めた終活。そんな親の終活を手伝いたいと思うのは、特段おかしいことではありません。では、親の終活の1つとして、財産の贈与や相続などの話はどう切り出していくのがよいのでしょうか。親の終活における贈与や相続の話について考えていきましょう。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

親の終活を手伝いたいと思うのは普通のこと

株式会社bondsが実施した「終活と家族からの想いに関する調査」によれば、60歳以上の親を持つ人の82%が、終活を始めた場合は手伝いたいと回答しています。
 
この結果から、親の終活を手伝いたいと思うのは普通のことであり、「終活に協力するのはおかしいのか?」と悩む必要はありません。
 

贈与や相続の話題についてどう切り出す?

親の終活において、財産の贈与や相続については自身に直結するお金の問題ということもあり、より関心が高まるのは自然なことです。
 
しかし、お金の問題だからこそ、親にどう話を切り出せばいいのか悩む部分もあるでしょう。切り出し方を間違えると、そこから相続について親族間での争いに発展してしまったり、親子げんかとなったりするなど、終活の手伝いをすることが難しくなってしまう場合もあります。
 
終活は人生の締めくくりでもあるため、これまでの人生と終活する方の現状によって千差万別です。また、親子の関係性など家庭によっても状況は異なるため、「贈与や相続について、こういう切り出し方なら正解」といった誰にでも当てはまる選択肢はありません。
 
相続などの話を切り出す際は、まずはそのことを念頭に置き、次のような方法で試してみるのもいいでしょう。
 

帰省時や自身の将来を相談するタイミングで

帰省した際や、自身の将来について親に相談するときなど、ゆっくりと時間が取れ、普段はしない話をするようなタイミングであれば、贈与や相続の話を進められる場合があります。
 
例えば、帰省時に「将来は実家に戻ってきた方がいいのか」と相談してみて、その流れで「実家をどう扱うべきか」「介護が必要になったら在宅介護を希望するか」など、順に相続などの話につなげていくと比較的切り出しやすいでしょう。
 
特に親が60代など高齢の場合、人によっては病気や老いから介護について気にしている方もいるため有効かと思います。
 

セミナーや相談会への参加を促してみる

近年、終活に関するセミナーや相談会が各地で行われています。そういった場では大抵、相続や贈与にも触れるため、「こんなセミナーがあるみたい」と参加をすすめてみたり、参加した場合は「セミナーどうだった?」と感想を聞くかたちで、自然に贈与や相続の話ができるでしょう。
 
中には親子で参加可能なセミナーなどもあるため、一緒に参加することで終活を進めるきっかけにもなります。
 

エンディングノートを渡してみる

エンディングノートとは、もしもの場合に備えて自身の希望や家族へのメッセージ、財産の情報などを記入しておく終活用のノートです。エンディングノートには、贈与や相続に関する記入部分が用意されているものもあるため、そうしたノートを選んで渡してみる方法もあります。
 
贈与や相続について話を切り出さなくても、エンディングノートによって贈与や相続の問題を親が考えるようになるかもしれません。なお、エンディングノートは大型書店やネット通販などで購入できます。
 

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まとめ

財産の贈与や相続の話は、家族であっても気軽に口に出せるような話題ではなく、無理に切り出してしまうと余計に話が進まない状況になってしまう可能性もあります。
 
高齢となった親が終活を始めた場合、贈与や相続の話については様子を見つつ、できるだけ自然なタイミングで切り出してみる、それが難しそうならいったん時間を空けるなどして、適度な距離感で親の終活と向き合うようにしてみてください。
 
出典
PR TIMES 【終活に対する親と子どもの本音が明らかに】8割以上の子どもが親に“本心や想い”を残してもらいたいと回答!
 
執筆者:柘植輝
行政書士
 

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