更新日: 2021.11.17 その他相続

子どものいない夫婦、内縁関係が相続争いに巻き込まれないためにはどうすればいいの?

子どものいない夫婦、内縁関係が相続争いに巻き込まれないためにはどうすればいいの?
子どものいない内縁関係にある夫婦の相続においても、相続問題は無関係なものではありません。
 
なぜ、こうした内縁の夫婦の相続で相続争いが起き得るのでしょうか。また、相続でトラブルを起こしたり、争いに巻き込まれたりしないためにはどうすればいいのでしょうか。原因と対策について解説します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

子どものいない内縁関係の夫婦の相続で争いが起きる理由

内縁関係にあり、子どもがいない夫婦の相続で相続争いとなる理由の1つとして、内縁の夫婦間では相続権を持たないことが挙げられます。
 
通常、婚姻届を提出して法律上の夫婦となっていれば、夫婦のどちらかの死後、もう一方は配偶者として相続人となります。例えば夫の死後、配偶者である妻は相続人となって相続財産を受け取れるといった具合です。
 
しかし、婚姻届を出しておらず、法律上の夫婦と認められていない内縁関係にあっては、事実上の夫婦として生活していても、相続権が認められないことになっています。
 
この点から、相続権の有無について法律上の婚姻関係が左右することを知らずに内縁の配偶者自身が不公平に感じたり、相続権が無いと知っているため内縁の配偶者に生前贈与などを行った結果、亡くなった方の父母や兄弟姉妹など相続人となる方が自身の相続財産が減って不満に思うなど、こうしたことが原因となって相続争いが起きる場合があります。
 
子どものいない内縁関係にある夫婦の相続で、相続争いとなり得る原因は他にも考えられますが、上記について対策しておけば、相続争いやトラブルに巻き込まれる可能性は低くすることができるため、その点に主眼をおいて解説していきます。
 

内縁関係の夫婦に必要な相続争いの対策は?

内縁関係かつ、子どものいない夫婦の相続で相続争いに巻き込まれないために、あらかじめ取っておきたい対策としては下記のようなものがあります。
 

相続のルールについて知っておく

まずは相続のルールについて知っておいてください。
 
内縁関係では相続権はありません。亡くなった方に相続人がいない場合には特別縁故者として認められ、財産分与を受けられる可能性はありますが、内縁関係にとどまる以上、原則として相続権は無いと覚えておいてください。
 

入籍する

入籍してしまえば、法律上の夫婦として相続権が認められます。配偶者は常に相続人となり、相続財産のうち、少なくとも2分の1以上を相続できるため、入籍できない特別な理由がない限りは生前に婚姻届けを出しておくとよいです。
 
また、正式な婚姻関係であれば、他の遺族から反感を持たれることも少ないでしょう。
 

遺贈や生前贈与の金額に注意する

内縁関係では相続権がないからと「全財産を内縁の配偶者に遺贈する」といった内容の遺言書を作ったり、生前贈与で財産の大部分を内縁の配偶者に贈与していると、遺留分(兄弟姉妹以外の法定相続人に認められた最低限の相続分)を侵害していると問題になるほか、たとえ遺留分を侵害していなくても感情的に納得できないといった理由から、遺族との相続争いに発展する可能性もあります。
 
遺贈や生前贈与を行う際は、金額や贈与する財産の内容など、相続人となる方が納得できる範囲にとどめておくことが大切です。
 

生前に事情を話しておく

亡くなった方の親や兄弟など相続人からすれば、入籍をしていない内縁の配偶者に相続財産が渡ってしまうのは、感情面から納得がいかないこともあります。
 
そこで、相続人となり得る方に「内縁関係ではあるが夫婦に変わりないので、財産を残してあげたい」などと生前に相談しておくことでも、いざ相続が発生した場合に話がスムーズに進むことがあります。
 

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まとめ

子どものいない内縁の夫婦の相続であっても、ちょっとしたことから相続争いが起きることがあります。自分たちは相続争いとは関係ないと決めつけるのではなく、内縁関係だからこそ注意すべき点についても考え、あらかじめ対策を取っておくようにしてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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