更新日: 2021.11.21 贈与
離婚時の財産分与の疑問。夫婦で貯めた貯金を分けるとき贈与税はかかる?
今回は離婚時に避けては通れない財産分与と、財産分与にまつわる税金について解説します。離婚時に税金がかかるのか気になっている人は、当記事を参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ファイナンシャル・プランナー
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サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
離婚時に財産分与される側に贈与税がかかる?
離婚の際に、貯金を分与された側は贈与税を支払う必要があるのでしょうか? 原則として、離婚時の財産分与で相手方からもらった貯金は贈与とみなされないため、贈与税は課税されません。
ただし、場合によっては贈与税がかかる場合があります。ここでは財産分与を受ける側が贈与税を支払う可能性や、不動産を贈与される際の注意点を見ていきましょう。
原則、贈与税はかからない
離婚時の財産分与において、相手方からもらった貯金に贈与税がかからない理由は次のとおりです。
・夫婦の財産関係の清算
・離婚後の生活保障
上記の理由により、財産分与請求権に基づいて「給付を受けた」ものとみなされるため、贈与税を支払う必要はありません。
多過ぎると贈与税がかかることがある
離婚の際の財産分与においても、贈与税がかかるケースがあります。これは、分与された財産が「多過ぎる」と認められた場合です。その多過ぎる部分について、贈与税がかかります。
多過ぎるかどうかの判断基準となる、数値が公開されているわけではありません。婚姻中に夫婦が協力して得た財産の額のほか、さまざまな事情を考慮したうえ判断されます。
税金逃れのための離婚とみなされると、贈与税がかかる
離婚に不自然な点がみられ、贈与税や相続税を回避する目的だとみなされた場合には、離婚によって分与された財産「すべて」に贈与税がかかります。
「離婚による財産分与は一律、贈与税の課税対象外」であった場合、結婚と離婚を繰り返せば課税を免れ続けることが可能です。そのため適正・公正な課税のためにも、不正に税金逃れを意図しており悪質だとみなされると、贈与税がかかります。
不動産を分与される場合の注意点
離婚に伴う財産分与として不動産を取得する場合、分与を受けた日の時価で、土地や建物を取得したことになり、原則として贈与税の対象にはなりません。
ただし万が一に備えて「離婚での財産分与」だと税務署に説明できるよう客観的証拠を準備します。離婚してから数年後に所有権の移転登記をする場合は、特に注意が必要です。離婚協議書あるいは離婚公正証書があるとよいでしょう。
分与を受けた不動産を売った場合には、その所有期間に基づき、短期譲渡、長期譲渡を判断して申告します。不動産を受け取った場合には、登録免許税・不動産所得税・固定資産税などが発生するので注意してください。
離婚時に財産分与する側は譲渡所得税に注意
離婚時に、貯金を財産分与する側は贈与税がかかる心配はありません。しかし不動産を財産分与する場合は、注意が必要です。分与した不動産について、譲渡したものとして「譲渡所得の課税」が行われる場合があります。
「譲渡所得の課税」は売却益に対して課税されるため、不動産を取得した際の価格より分与した際の時価が高い場合は注意が必要です。分与する側からすると、不動産を分与するうえに所得税まで支払う場合があるので慎重に検討したいものです。
マイホーム特例が適用になるかも
自宅を売却する場合に、適用要件を満たせば、所有期間の長さに関係なく譲渡益から最高3000万円まで控除できる 「居住用財産の3000万円の特別控除」をご存じでしょうか? 居住用財産である自宅の売却益が3000万円までなら、全額控除できる制度です。
離婚時の財産分与に伴い自宅を譲渡する際にも、マイホーム特例の適用を受けられます。マイホーム特例では「売手と買手が、親子や夫婦など特別な関係でないこと」が要件です。そのため離婚届を提出した後に、自宅を譲渡する必要があります。
特例の適用を受けるためには、実際に自宅として使用していたことを証明できる書類を添えて、確定申告する必要があるので注意してください。
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離婚時に貯金を分けるときに贈与税はかからない
財産分与として貯金を受け取る側は、原則として贈与税がかかる心配はありません。贈与されたのではなく、夫婦間での財産関係の清算、離婚後の生活保障のための給付を受けたものと考えられるからです。
不動産を分与する側も受ける側も、各種税金の納税義務が発生する場合があるので注意しましょう。不動産の贈与は税金が伴うため、慎重に検討する必要があります。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
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