更新日: 2021.11.29 贈与

親が子の住宅ローンを援助をするとき、節税になる方法って?

親が子の住宅ローンを援助をするとき、節税になる方法って?
子がマイホームを購入するための住宅ローンについて、援助してあげたいと思うのは親として当然のことでしょう。しかし、気になるのは税金面です。
 
援助の方法によっては高額な贈与税が発生してしまう場合もありますが、どのように行えば節税が可能となるのでしょうか。住宅ローンの援助と節税について考えます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

親子間の援助には贈与税がかかる

贈与税とは、年間で受け取った贈与の合計額が110万円を超えた部分にかかる税金です。贈与税は学費や生活費といった扶養義務の範囲内となる部分を除き、親子間の資金援助も課税の対象となっています。
 
当然、子が住宅を購入するための資金については扶養義務の範囲とはいえず、住宅ローンの援助として年間110万円を超える贈与をした場合、超えた部分に贈与税が課税されます。そのため、親が子の住宅ローンの援助をする際は税金面までよく考えた上で行う必要があります。
 

子の住宅ローンを援助するとき、節税の面で効果的な方法は?

節税をしながら子の住宅ローンの援助を行う場合、利用できる制度や方法には次のようなものがあります。

●直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
●暦年贈与
●相続時精算課税制度
●親から子への貸し付け

どれが1番の節税対策となり得るかは、個別具体的な事情でも変わるため、諸制度を比較して決めることが大切です。
 

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税とは、平成27年1月1日から令和3年12月31日までの間、父母など直系尊属から住宅を取得するための資金援助を受けた際に最大1500万円まで(令和2年4月1日以降分)の贈与が非課税となる制度です。
 
節税という観点からは、今回紹介している中では短期間で最も大きな節税額が見込めますが、制度の対象となるのは一定期間の贈与と定められており、期限も令和3年12月末となっているため、利用するのであれば注意が必要です。なお、この制度は暦年贈与との併用が可能になっています。
 

暦年贈与

手軽さを重視し、長期間にわたって援助を続けるのであれば、暦年贈与がおすすめです。
 
暦年贈与とは、年間の贈与額が110万円以下であれば贈与税が非課税となることに着目して、その範囲内での贈与を続けていく方法です。後述する相続時精算課税制度などのように申告が必要ではないため、手軽に行える点が特徴です。
 
時間をかけることになりますが、少しずつでも財産を非課税で移転できるため、最終的に相続税と贈与税について最も大きな金額を節税できる可能性があるのが暦年贈与になります。
 

相続時精算課税制度

相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母または祖父母から、20歳以上の子または孫に対して行われた贈与が最大2500万円まで非課税となる制度です。
 
非課税の額が非常に大きい半面、贈与者と受贈者に年齢制限がある点と、贈与者が亡くなった際は贈与された財産を相続財産に含めて相続税が計算されるため、最終的に大幅な節税は難しいという注意点があります。
 
また、相続時精算課税制度の適用を選択すると、贈与があった人同士の間で暦年贈与は利用できなくなる点も必ず覚えておいてください。
 

親から子への貸し付け

親が子へ、住宅ローンなどの資金を援助すると、その援助が贈与扱いとされて贈与税の課税対象となることがあります。そのため、贈与ではなく貸し付けとすることで、援助に伴う贈与税が発生しないようにできます。
 
しかし、この方法では贈与税こそ節税できるものの、貸し付けであるため、いずれは返済することが必要になります。
 

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まとめ

親が子の住宅ローンを援助するとき、税金面も考えることで子の負担を軽減し、援助をより効果的なものとすることができるため、方法や利用する制度については十分に検討してみてください。
 
出典
国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択
国税庁 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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