更新日: 2021.12.09 相続

なぜ、親の葬式で控除対象になるものとならないものがあるの?

執筆者 : 柘植輝

なぜ、親の葬式で控除対象になるものとならないものがあるの?
亡くなった方の葬式にかかった費用は、債務控除として相続税の計算においてプラスの相続財産から差し引くことができるとされています。
 
しかし、葬式に関連する支出であっても葬式費用として控除の対象とならないものもあります。なぜ、控除の対象になるものとならないものがあるのでしょうか。親の葬式を例に考えていきます。
 
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

なぜ葬式に関する費用で控除対象のものとならないものがある?

相続財産の中に借金をはじめとする債務などのマイナスの財産があると、相続税の計算に当たりそのマイナスの財産を差し引いて相続税を算出することができます。
 
葬式費用は亡くなった方が有していたマイナスの相続財産ではありませんし、相続人たる遺族が支出すべき費用です。しかし、葬式費用は債務のように控除の対象になっています。一体なぜなのでしょうか。
 
それは、日本の社会通念上、亡くなった方の相続人が葬儀を行うことは相続と併せて通常行うべきものであると考えられるため、債務に準ずるものとして葬式費用も控除の対象になっていると考えられます。
 
しかし、だからといって葬式費用として認める控除の範囲を広げすぎると、葬儀と直接の関連性が低い支出も葬儀費用に含まれる可能性があります。そのため、葬儀に関連する費用であったとしても、必ずしも必要ではないだろうと想定されるものは控除の対象とならないようになっています。
 

どんな費用が葬式費用として控除される?

通常、葬式費用として控除できる支出には次のようなものがあります。


・葬式や葬送、またはそれ以前に火葬や埋葬など納骨にかかった費用(仮葬式分を含む)
・遺体や遺骨の回送にかかった費用
・葬儀会社に支払った費用
・お通夜や告別式にかかる飲食費用
・お通夜や告別式に尽力した人への心付け
・お寺や神社などに支払う読経料や戒名料、お布施
・死体や遺骨の捜索・運搬にかかる費用

このように、葬儀に当たって通常必要な費用であろうものは控除対象となる費用として認められています。
 

葬式費用に含まれず控除の対象とならないもの

人の死やお葬式に関連するものであってもそれが直接的に必要でない、関連性が薄いと判断されるものは控除の対象となりません。具体的には次のようなものが控除の対象とならない支出に該当します。


・香典返戻にかかる費用
・初七日、四十九日、一周忌法要に関する費用
・通夜や告別式に親族が参加するための交通費や宿泊費
・遺体の解剖など医学または裁判上特別の措置に要した費用

このように、葬儀において必ずしも必要ではない、または直接の関連性が薄いものは控除の対象とはならないようになっています。
 

葬儀費用を控除するのであれば領収書を忘れずに

控除の対象となる葬儀費用を実際に相続税の計算で控除するには、その計算の根拠として支出した葬儀費に関する費用の領収書を添付することが必要になります。
 
しかし、お布施など領収書が発行されない支出や領収書を失くしてしまったという場合、下記の内容をメモしておくことで領収書の代用とすることができます。


・実施した内容
・支払った日
・支払った金額
・支払先の名称と住所、連絡先

 

親の葬式費用でも控除対象になるものとならないものがある

親の葬儀のために支出した費用であっても、葬儀の実施と関連性が薄かったり、直接に必要ないというものは葬儀に関する費用であっても控除の対象とならないことがあります。
 
控除対象となる費用についてはある程度範囲は決まっているものの、中には判断が難しい支出も出てくることもあります。
 
控除される支出の範囲は相続税の金額にも影響します。控除される支出か気になったときは、税務署に確認を取る、あるいは税理士などに相談するといった方法で確認するようにしてください。
 
出典
国税庁 No.4129 相続財産から控除できる葬式費用
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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