口座の名義人が亡くなってから凍結されるまでの時間はどのくらい?
配信日: 2022.01.16
では、一体どれくらいの時間がたつと口座は凍結され、利用できなくなってしまうのでしょうか。亡くなった方の口座が凍結するまでの時間はどれくらいなのか、という疑問についてお答えしていきます。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
なぜ亡くなった方の口座は凍結されるの?
知らない方もいらっしゃるかもしれませんが、亡くなった方の名義となっている銀行口座は、その名義人となる方が亡くなったら銀行によって凍結され、お金の出し入れができないようになります。
このように口座が凍結されてしまう理由は相続トラブルを防止するためです。亡くなった方の名義である口座は相続財産となります。凍結されないままだと、相続人の誰かが引き出してしまい相続人間で不信感が生まれてしまったり、私的に使い込まれてしまったり、相続税を申告しないままになってしまうといったトラブルが起こることがあるからです。
凍結されるまでの時間はどれくらい?
口座名義人の死亡から凍結まで、どれくらいの時間がかかるかは一概に決まっていません。なぜなら、銀行が口座を凍結するのは、名義人の死を知ったときだからです。
一般的には、名義人の遺族となる方が相続手続きや遺産分割を進める中で銀行に死亡を申し出て凍結される、という流れで実行されることが多いようです。
そのため、遺族の方の申し出が早ければ亡くなった翌日にも凍結されることがあるでしょうし、遺産分割が終わるまで申し出なかったという場合、何ヶ月も凍結されないということもあります。
ただ、銀行によっては新聞の訃報欄などで知り、死亡が確実に特定できる場合などは遺族からの申し出を待つことなく凍結されるという可能性もあります。
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凍結を解除するにはどうしたらいい?
遺産分割を終え、銀行に対して遺産分割が終わっているので解除してほしいと申し出ることでお金を引き出し、遺産分割どおりにお金を分配することができます。
もし、遺言書が存在していれば、遺産分割を待たずともその内容に沿って口座の凍結の解除を依頼することができます。また、一定額までであれば、預金払戻制度を利用してお金を引き出すことができます。手続きや必要書類については金融機関によっても異なることがありますので、詳細については口座の存在する銀行にご相談ください。
凍結される前なら引き出しても大丈夫?
どうせ自分たちが相続するお金だし、凍結されてしまうならその前に引き出してしまおう、と考えて凍結される前にお金を引き出すのは賢明ではありません。相続人が複数人いる場合、誰か1人が勝手に引き出してしまうと、相続人間で「私用で使うのではないか」と疑念が生じて相続トラブルが発生してしまう恐れもあります。
また、相続財産にマイナスの財産があるか分からない、あるいは負債が多くて相続する気がない、迷っているという場合、凍結される前に口座内のお金を引き出すと、相続放棄(相続しないこと)や限定承認(プラスの財産の範囲でマイナスの財産を引き継ぐこと)ができなくなる場合もあるため、凍結される前にお金を引き出す行為はリスクが伴うことを知っておいてください。
亡くなった方の口座は基本的に遺族が申し出たタイミングで凍結される
亡くなった方の口座は銀行が名義人の死を確認したときに凍結されます。そのため、一概にいつ凍結されるとは決まっておらず、場合によっては凍結されないまま払い出し手続きに入ることもあります。
亡くなった方の預金口座の取り扱いの詳細については銀行によって異なる場合があります。取り扱いについての詳細は、口座の存在する銀行へご相談ください。
出典
一般社団法人全国銀行協会 ご存じですか、遺産分割前の相続預金の払戻制度
執筆者:柘植輝
行政書士