更新日: 2022.01.14 相続

2022年度の与党税制改正大綱では、相続税と贈与税の改正には至らず。「生前贈与の改正」に関する親の意とは?

2022年度の与党税制改正大綱では、相続税と贈与税の改正には至らず。「生前贈与の改正」に関する親の意とは?
先日、2022年度の与党税制改正大綱が発表されました。今回の税制改正では「相続税と贈与税の一体化」が注目されていましたが、改正には至りませんでした。とはいえ、今後の動向が注目されています。
 
親などから財産をもらうと、贈与税がかかります。「暦年課税」は、一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら贈与税がかからず、贈与税の申告は不要となるものです。そのため、110万円以下で少しずつ生前贈与して、相続税の負担を軽減する相続税対策(暦年贈与)がよく行われます(※1)。
 
また、被相続人(例えば親)から生前に贈与を受け、贈与税の申告の際に相続時精算課税を選んでいた場合、その贈与された財産は相続税の課税対象とされます。そして暦年贈与においても、被相続人が亡くなる前3年以内に贈与を受けた財産は、相続税の課税対象となります(※2)。
 
生前贈与が3年以内というのは世界的には短期間であるため、長いスパンで贈与財産を相続財産に加えることにより、税負担が一定化し、また相続税の回避行為の防止効果も得られることとなります。こうした観点から、贈与税と相続税の一体化が必要とされていました。
 
しかし、今回の税制改正では一体化は見送られました。ただ、こういう流れがあり、今後も検討されるだろうということは注意する必要があります。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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生前贈与が使えなくなる可能性があることを知らない人は7割以上

このような中、篠田修税理士事務所(東京都世田谷区)は、65~75歳の子を持つ親、かつまだ贈与を実施していない人105名を対象に、「生前贈与(暦年贈与)の改正」に関する親の意識調査を実施しました(※3)。
 
相続税対策の王道である生前贈与が、近い将来使えなくなる可能性があることを知っているか尋ねたところ、「知っている」が26.7%、「知らなかった」が73.3%と、7割以上が知らないと回答しました。
 

生前贈与する予定がない人が8割。理由は「自分の老後資金の方が心配なため」

生前贈与が使えなくなる可能性があるが、具体的に生前贈与を実施する予定はあるかという問いには「ない」が80.0%、「ある」が20.0%という結果に。そもそも論として生前贈与をするつもりがない人が圧倒的に多いことがわかりました。
 
生前贈与しないと回答した人に、その理由を質問したところ、「自分の老後資金の方が心配」が61.9%と最も多い結果に。次いで、「生前贈与に関する税金が煩わしい」が23.8%、「相続税がかからないため」が20.2%という回答となりました。
 

自分に相続が発生した時相続税がかかるか確認していない人の方が多い

自分に相続が発生した場合、相続税がかかるかどうかを確認したことはあるかと質問したところ、「ない」が58.1%、「ある」が41.9%という結果になり、確認したことがない人の方が多いことがわかりました。
 
相続税がかかるかどうかを確認していない理由を聞くと、「根拠はないが、相続税はかからないと考えている」が44.3%、「相続税がかかるか否か確かめる方法がわからない」が26.2%、「相続税が難解なため」が14.8%という回答となりました。
 
人間には寿命があるので、自分もいつかは亡くなってしまいます。子どもになるべく財産を残すために、相続税について一度調べてみてはいかがでしょう。
 
※1:国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
※2:国税庁 相続税のあらまし
※篠田修税理士事務所 【2021年|「生前贈与」改正に関する親の意識調査】
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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