更新日: 2022.01.21 その他相続

揉めやすいといわれる「二次相続」。どんな状況で起こる?トラブルを防ぐ方法は?

執筆者 : 柘植輝

揉めやすいといわれる「二次相続」。どんな状況で起こる?トラブルを防ぐ方法は?
実務上、二次相続はもめやすいといわれています。なぜ、二次相続はもめやすいといわれるのでしょうか。
 
二次相続とはどんな状況で、どんなときにもめ事やトラブルが起こるのか、そしてそれらを防ぐにはどうしたらよいのか。二次相続に対する対策について解説します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

二次相続とは?

あまり日常で聞くことのない「二次相続」という言葉の意味から考えていきましょう。二次相続とは、ある人を起点に1回目の相続人となった方が、さらに亡くなって起こる2回目の相続のことをいいます。
 
例えば、夫と妻、そして子どもたちという家族でいうと、父が亡くなったときに母と子どもたちが相続人となる相続を一次相続、その後母が亡くなって起こる子どもたちだけでする相続が二次相続となります。
 

二次相続でもめ事やトラブルが起こるのはどんな状況? その対策は?

トラブルなどが起こるとは限りませんが、二次相続がもめ事やトラブルを起こしやすいのには原因があります。父が亡くなり、一次相続を母と子どもたちで行い、その後母が亡くなり、子どもたちだけで二次相続を行うという例で原因と対策について考えていきます。
 

子どもたちだけで遺産分割する二次相続はもめやすい

一次相続は両親のうちどちらかが相続人として子どもたちと相続に参加することが多いです。この場合親の存在があるためもめることなく、まとまって遺産分割できます。
 
しかし、二次相続では子どもたちだけの相続となるため、まとめ役が不在となり各相続人の利害が前面に押し出され、まるで兄弟げんかのようにもめ事に発展してしまうのです。
 
亡くなった方と同居していた兄弟の一方による遺産となる財産の使い込みが発覚したり、他の人より多めに援助を受けたこと(特別受益)が問題となったり、介護をしていた分について相続分に反映させてほしい(寄与分)などが原因となってもめ事が起こる可能性もあります。
 
これを対策するためには、二次相続の被相続人となる方、今回の事例でいえば母が亡くなる前に、母が相続について遺言書を作成して相続がまとまるよう遺産分割について準備しておくという方法があります。
 
また、費用がかかってしまいますが、子ども同士でうまく話がまとめられない場合は弁護士などを間に挟んで専門的な知見から仲裁をしてもらうほか、過去全員がお世話になった人、親の兄弟など、中立的で尊敬できる方に間に入ってもらうというのも有効です。
 

税金面でトラブルが起こる

二次相続は一次相続に比べて税金面でトラブルが起こることもあります。一次相続では相続税が発生しなかったが二次相続では相続税が発生するという場合もあるからです。
 
具体的には、相続人の数が減ったことで基礎控除が減少する、相続税の配偶者の税額軽減などが適用されないため、一次相続では適用できたが二次相続では適用できない税額控除が出てくるといったことなどが主な原因になります。
 
そのため、生前贈与をして相続財産を減らしておく、一次相続においては株式など将来値上がりする可能性がある財産を子に優先的に分配する、相続税を納税できるよう相続財産において現金比率を高めにしておく、適用できる税額控除がないか生前から検討しておくなどの方法を対策として実行しておきたいところです。
 

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二次相続はもめ事・トラブルに注意を

二次相続は相続人間でもめ事やトラブルが起こりやすい状況であることが多いです。しかし、事前に起こりやすいもめ事やトラブルの例や対策を知っておけば、それを予防し、回避することができます。
 
二次相続はいつ発生するか予見することが難しいものです。いつ二次相続が起こってもよいように、知識の補充と対策は早めに行っておいてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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