令和5年で終了する祖父母から孫への教育資金一括贈与。急いだ方がいい? デメリットはある?
配信日: 2022.02.05
そこで教育資金一括贈与にはどのようなメリットとデメリットがあるのか、そして利用する場合は急いだ方がよいのかも合わせて詳しくみていきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
教育資金一括贈与のメリット(1) 使途は教育目的となっているが、意外と使える範囲が大きい
教育資金一括贈与の使途は教育目的に限られています。他の目的で使用することは許されていません。当然教育目的なので主に学校へ通うときの入学費用や授業料等が該当します。
しかし教育資金一括贈与のメリットは意外と使える範囲が大きいという点です。
教育資金一括贈与を利用すれば、祖父母から孫へ最大で1500万円の教育資金を非課税で贈与できるのですが、驚くのはその内の500万円は学習塾や水泳教室、英会話教室に美術教室、さらにはピアノ教室まで習い事の月謝に使えるという点です。
さらに月謝だけでなく、そこで使用する道具にも充てることができるというのは、かなり大きなメリットとして挙げられます。そのため、孫に渡せる分だけの資産があるのであれば、早く利用した方がよいでしょう。
教育資金一括贈与のメリット(2) 暦年贈与と併用することができる
暦年贈与との併用が可能というのも教育資金一括贈与の大きなメリットです。暦年贈与は1人が1年間にもらった財産が110万円までであれば贈与税がかからないというものです。
教育資金一括贈与の特例を利用して1500万円の一括贈与を行ったとしても、この暦年贈与は別枠としてそのまま使用できるため、その都度必要なタイミングで贈与税を支払うこと無く資金援助をすることができます。
その結果、両方を合わせれば、かなりの額を節税することができるのは魅力です。
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教育資金一括贈与のデメリット(3) 贈与された側の手続きがいろいろと面倒
教育資金一括贈与のデメリットは、贈与を受け取った側の手続きがいろいろと面倒という点です。
まず教育資金一括贈与制度を利用する場合、銀行等の金融機関に教育資金専用の口座を作らなければなりません。しかもこの教育資金専用の口座は、普通の預金口座を開設するのとは異なり、複数の書類を用意しなければなりません。
そのため開設するのに時間と手間がかかります(非課税申告書を金融機関を経由して受贈者の納税地の税務署長に提出します)。贈与者が死亡した時点の管理残額は相続財産となり、子以外(孫など)の場合は2割加算が適用されます。
また教育資金専用の口座を作ることができても、制度を利用する場合は、まずいったんお金を預ける必要があります。しかもその銀行からお金を引き出す際は、使用したときに受け取った領収証等をいちいち提出しなければなりません。
それくらいなら大したことないのでは、と感じる人もいるかもしれませんが、受け取る側はこの作業を何年間も続けないといけないので、かなり大変です。
しかも教育資金として認めるか否かの判定が結構難しく、大丈夫だろうと考えていたものが通らずお金を引き出せなかったというケースも少なくありません。
例えば習い事の際に必要な道具を購入するときは、必ず指導者から購入しなければならないというルールがあります。それ以外のところから購入したものは認められないので、購入時は注意が必要です。
また、資金援助を受けた孫が30歳になったときに、援助してもらったお金が使いきれずにまだ口座に資金が残っている場合は、その額に贈与税がかかってしまいます。
資金援助を受けたら、きちんと計画を立てて30歳までに使い切るようにしましょう(前年の合計所得金額が1000万円以下の者が対象となります)。
このように、デメリットもさまざまあり、安易に大金を孫に贈与してしまうと、負担を負わせる羽目になるので、贈与の際は十分に検討する必要があります。しかも、一度贈与したお金は祖父母側に払い戻すことができないので注意が必要です。
教育資金一括贈与にはメリットとデメリットの両方があるが、メリットの方が大きいため早めに利用した方が良い
教育資金一括贈与のメリットは意外と使える範囲が大きく、学習塾や習い事の月謝や使用する道具にも使えるという点です。また暦年贈与との併用が可能というのも魅力です。
一方、贈与された側は専用口座が必要であったり、お金を引き出す際に領収証を提出しなければならないため面倒、というデメリットもあります。それでも総合的にはメリットの方が多いので興味がある人は早めに利用するとよいでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
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