更新日: 2022.02.08 相続

亡き祖母から孫への生命保険金。受け取るときに課税対象になるって本当?

執筆者 : 柘植輝

亡き祖母から孫への生命保険金。受け取るときに課税対象になるって本当?
祖父母が自身の死亡時に支払われる生命保険金の受取人に、孫を指定していることがありますが、この生命保険金は受け取るときに課税対象となってしまいます。
 
なぜ課税対象となるのか、祖母の生命保険金を相続人でない孫が受け取ったケースを例に解説していきます。
 
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

祖母から孫への生命保険金は課税の対象となる

祖母が自身で契約して保険料を負担し、受取人を孫に指定していた生命保険金(死亡保険金)は、祖母が亡くなって孫が受け取った際に相続税の課税対象となります。
 
このとき、相続人となる人が存在したとしても、受取人が孫となっている以上、その生命保険金は遺産分割の対象とはならず、孫に直接支払われます。
 
祖母が亡くなれば、通常、配偶者や子(孫から見れば祖父や親)などが相続人となって財産を分け合うところ、生命保険金に関しては相続人ではない孫が受け取ることになります。被保険者が保険料を支払っていた生命保険金は、相続人ではない人が受け取っても相続税の課税対象となるため、孫は相続税を支払わなければならないということです。
 
また、亡くなった祖母以外の人が生命保険を契約して保険料を負担し、被保険者となっているのが祖母、受取人が孫というケースもあります。
 
この場合も生命保険金は課税対象となるのですが、相続税ではなく贈与税の対象となります。
 

孫が受け取る生命保険金の税金計算で気をつけたいこと

先に説明したとおり、相続人ではない孫が受け取る生命保険金は相続税の課税対象となる場合と、贈与税の課税対象となる場合があります。
 
特に相続税が発生する場合は、相続税でありながらも通常とは異なる取り扱いがなされます。その際の注意点をまとめると下記のとおりです。

(1)生命保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)が適用されない。
(2)相続開始の前3年以内に祖母から贈与を受けていれば、その金額と生命保険金を合わせて相続税を算出する。
(3)配偶者および1親等の血族以外への相続として、相続税額が2割加算される2割ルールが適用される。

なお、孫が祖母と養子縁組をしている場合の代襲相続(親が亡くなっているため、繰り上がって孫が祖母の相続人となる場合)では、通常の相続扱いとなります。祖母の子、つまり孫から見た伯父や叔母などと一緒に孫が相続人となるという場合においても同様です。
 
こうしたケースでは、上記(1)の非課税枠が適用できて、(3)の2割ルールは適用されません。ただし(2)については通常の相続でも適用されることになるため、変わりはありません。
 
一方、贈与税の対象となる場合に注意したいのは、他の贈与分と含めて贈与税を算出するということです。
 
贈与税であれば、孫が年間で受けた贈与が110万円を超えた部分に発生するのですが、生命保険金を受け取った年に他にも贈与を受けた場合は、それらも合計して贈与税を計算します。
 

まとめ

相続人ではない孫が受取人となっている祖母の生命保険金は、契約の内容によって相続税または贈与税の課税対象となります。
 
特に相続税の対象となる場合、非課税枠が適用されず、本来の相続人が受け取るよりも高い金額の相続税が課されることになるので注意が必要です。
 
また、個別の事情によっては課税関係が少々複雑になることもあり得えるため、少しでも悩んだときはなるべく早めに税理士など専門家にするといいでしょう。
 
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より「贈与税の対象になる生命保険金」
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)「No.4157 相続税額の2割加算」
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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