更新日: 2022.03.04 その他相続

終活の「エンディングノート」に法的効力はなし。ではどんなことを書けばよいの?

終活の「エンディングノート」に法的効力はなし。ではどんなことを書けばよいの?
終活という言葉が広まり、「エンディングノート」を作成する人もいらっしゃるでしょう。
 
ただし、エンディングノートは遺言書と異なり、法的効力はありません。したがって、エンディングノートに記載されているからといってその内容のとおりに遺産相続が行わるわけではありません。
 
とはいえ、法的効力はないからこそ、記載できる内容もあるでしょう。今回はエンディングノートに記載する内容について解説します。
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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エンディングノートとは?

法的効力はないといわれるエンディングノートですが、自分がどのように人生の終わりを迎えたいか、また、自身が気になっていることは何かなどを記載できます。
 
また、何度でも書き直すことができるため、毎年見直して必要に応じて書き直すという人もいらっしゃるでしょう。
 
生きている中で取り巻く環境も変わることから、それに応じて内容を書き直すことはある意味必要かもしれません。
 

エンディングノートに記載する内容

エンディングノートには、主に以下の内容を記載することが好ましいといわれています。
 

■自分自身に関係する情報

自分の氏名や生年月日はもちろんのこと、趣味や好みなどといった内容を記載します。
 

■デジタル資産に関する情報

最近では、ネット上でさまざまな取引や決済ができます。ただその際には、基本的にそれぞれの取引や決済を利用する際のIDやログインパスワードが必要です。
 
ID、パスワード、さらには家で使用しているパソコンにパスワードを設定している場合は、そのパスワードを記載しておきましょう。
 
自分が亡くなった際に、そのようなIDやパスワードがあることで、サイトの解約手続きなどがスムーズに行えます。もちろん、パスワードを変更した際にはエンディングノートに記載している内容も変更しておくことを忘れないようにしましょう。
 
また、SNSを利用しているなら、そのログインIDやパスワードを記載し、自分にもしものことがあった際にはアカウントの削除してもらうなどといったことも、考えておかなければなりません。
 

■介護状態や認知症の状態になった際の希望

自分に介護が必要になった際に、どのような介護を行ってほしいのか。また、認知症の状態になった際の後見人には誰になってほしいのか、といった内容を書いておくことも大切です。
 
また、大きな病気をした際の治療に対する考え方も記載しておくことで、意識のない状態でも、家族がエンディングノートに記載された内容を基に、医師と相談することもできます。
 

■財産に関する情報

自分が保有している財産の情報を記載しておくことも大切です。
 
どのような財産がどこにどのくらいあるのか、また不動産を所有しているなら、名義は誰になっているのかも、漏れなく記載しておきましょう。
 
実印や金融機関に届けている印鑑の保管場所、さらにはキャッシュカードの暗証番号も、金融機関ごとにきちんと記載しておくことも忘れないようにしてください。
 
特に生命保険等の情報は、家族でも把握していないケースが多いものです。自分にもしものことがあった際に給付金や保険金の請求手続きがスムーズに行えるよう、契約している生命保険の内容や保険証書の保管場所についても、記載しておくと安心です。
 

■葬儀や納骨に関する希望

自分が亡くなった際の葬儀をどのように行ってほしいのか、遺影についての希望のほか、納骨についても分骨の希望があるならば、それを記載しておきましょう。
 
さらに、葬儀に呼んでほしい人の連絡先も書いておくことで、自分が希望する最後の別れを、その人と共有することができるでしょう。
 

■遺言書に関する情報

もし、エンディングノートとは別に遺言書を用意しているのであれば、その遺言の方式や保管場所などを記載しておきましょう。
 

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エンディングノートはどこに保管しておく?

自分の終活における気持ちをつづったエンディングノートを作成しても、その保管場所を誰も知らなければ意味がありません。
 
とはいえ、誰にでも見られる状態にしておくのではなく、身近な人にだけその保管場所を教えておき、日常は鍵をかけておくなど、ほかの人に見られないようにしておきましょう。
 
鍵のありかは、エンディングノートの保管場所を知っている人にだけ教えておくことも大切です。
 

まとめ

エンディングノートは残された人に贈る手紙だと思い、自分が気になっていることや希望を、素直な気持ちで記すことが大切です。
 
また、エンディングノートに自分の思いをつづることで、自分を見直すことにもつながります。そのうえで、これからの自分はどうありたいか、もしくはどうあるべきかを考えるきっかけにもなるのではないでしょうか。
 
何度も書き直すことで気持ちの整理もできますし、後に遺言書を作成する際にも役立つはずです。
 
エンディングノートを活用し、自分と家族の最後のあり方を見直してみることも大切です。
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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