更新日: 2022.03.18 贈与

入学祝い金や卒業祝い金を送るときに気をつけたほうがいいこととは?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 新井智美

入学祝い金や卒業祝い金を送るときに気をつけたほうがいいこととは?
入学や卒業など、学生の節目といえるタイミングでお祝いを送ることは、珍しくありません。
 
ただし、お祝い金の送り方に注意しないと、思わぬ税金が発生する可能性があります。
 
お祝い金は、お祝いの気持ちを込めて相手にわたすものなので、できる限り税金が発生しないよう考慮したいところです。
 
本記事では、入学祝い金や卒業祝い金を送るときに気を付けた方がよいことを、税金の観点から説明します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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新井智美

監修:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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生活費・教育費として必要な金額や常識の範囲内の金額であればお祝い金に贈与税は発生しない

人にお金をわたす(贈与する)と、「贈与税」が発生する可能性があります。
 
入学お祝い金や卒業お祝い金なども、他者にお金をわたす行為には変わりないため、「贈与税が発生するの?」と思う方もいるかもしれません。
 
しかしこのようなお祝い金は、贈与税が発生しないケースもあります。具体的には、「生活費や教育費として必要なお金」もしくは「常識の範囲内のお祝い金」の場合は、贈与税は発生しません。
 
例えば祖父母から孫に入学のお祝いとして、200万円がわたされたとしましょう。
 
非常に大きな金額ではありますが、このお金がもし、入学した大学の学費として使う目的でわたされたのだとしたら、教育費としてのお祝い金なので贈与税はかかりません。
 
また、特に具体的な用途が定まっていないお祝い金でも、常識の範囲内だと判断される金額なら、これも贈与税の対象とはなりません。
 
なお、どのような金額までを常識の範囲ととらえるかは、各世帯の収入状況などにもよるため、一概にはいえません。
 

生活費・教育費目的でなくかつ常識の範疇を超えるような金額のお祝い金は贈与税の課税対象

前の段落に述べたような例に当てはまらないお祝い金、つまり生活費や教育費としてわたすものではなく、かつ常識の範疇を超えるような金額のお祝い金は、贈与税の課税対象となります。
 
贈与税の計算をする上では、まず課税金額を算出します。課税金額は「贈与額-基礎控除額」という計算で求めます。
 
贈与額の基礎控除額は、一律110万円です。つまり、110万円以下の贈与に関しては、そもそも課税金額が発生しないため、贈与税も発生しないことになります。算出された課税金額によって税率が10~55%まであり、控除額もそれぞれ異なります。
 
例えば200万円の贈与を受けた場合、「贈与額200万円-基礎控除額110万円」で課税金額が90万円です。
 
課税金額が200万円以下の場合の税率は10%、控除額は0円なので、「課税金額90万円×10%-控除額0円」となり、贈与税は9万円と計算されます。
 

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贈与税は「1年の間に贈与された金額の合計が110万円を超えた」場合に発生する

個人から一度に100万円以上のお祝い金をもらうことは、それほど一般的ではありません。そのため、贈与税がかかるわけがないと考える方もいるでしょう。
 
しかし注意しておきたいのは、贈与税は「1月1日から12月31日の1年の間に贈与された金額の合計が110万円を超えた」場合にかかるものだということです。
 
例えば、祖父母から大学入学のお祝いに30万円のお金を渡されたとしましょう。これだけなら110万円を超えていないので贈与税の対象になりません。
 
しかし、そのほかの親類などからもお祝い金をもらい、その年のお祝い金全てを足した金額が120万円になったとします。こうなると、基礎控除額110万円を超えた10万円分に贈与税が発生します。
 
贈与税は贈与1件につき、110万円以下なら非課税というわけではありません。その年に贈与された金額の合計が110万円以下のときに、非課税なのです。
 
この点を勘違いすると、贈与税が発生するにも関わらず、納付が漏れるという事態にもつながりかねません。
 
贈与税は贈与を受けた人が納める税金です。大勢の人からお祝い金をもらうタイミング、お祝いが複数重なるタイミングなどは、お祝い金の合計額がいくらになるか、特にしっかり確認しておきましょう。
 

入学お祝い金や卒業お祝い金を受け取った際は、贈与税が発生するか状況を踏まえて判断しよう

入学お祝い金や卒業お祝い金を受け取った場合、贈与税が発生するか否かはケースバイケースです。
 
金額が大きくても発生しないこともあれば、1件1件のお祝い金額はそれほど多くなくても、合計金額で贈与税の課税対象になることもあります。
 
ぜひこの記事を参考に、お祝い金の贈与税について、自分の場合はどうなるのか具体的に考え、判断してみてください。
 
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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