更新日: 2022.05.10 相続

財産の移動をするとき、子どもではなく孫に贈与したほうがおトクって本当?

執筆者 : 堀江佳久

財産の移動をするとき、子どもではなく孫に贈与したほうがおトクって本当?
せっかく貯めたお金を税金で持っていかれるのは避けたいと考える方もいます。どうせなら子どもや孫に贈与して、相続税を少なくしておきたいと思うかもしれません。
 
本稿では、子どもでなく、孫への贈与のほうが税制面においておトクになる制度について解説します。
 
堀江佳久

執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

暦年贈与加算の対象外

年間110万円以下の贈与であれば税金がかからないと、聞いたことがあるかもしれません。
 
これは、暦年贈与といって、税金負担を軽くするためにぜひ活用したい制度です。この制度を使えば、1月1日から12月31日までの1年間の受贈総額が1人あたり110万円以下であれば贈与税がかかりません。
 
つまり、相続税対策として、毎年子どもや孫に110万円をコツコツと贈与しておけば相続する資産を圧縮できるので、非常に有効な手段です。ただし、子どもや孫との間に契約(約束)があると定期金給付契約に基づく定期金に関する権利の贈与を受けたものとして、贈与税がかかりますので注意が必要です。
 
しかし、この暦年贈与も子どもの場合には、相続開始前3年以内の贈与については、相続税の課税価格に加算しなければなりません。これは、相続税を回避することを目的として、駆け込みで生前贈与をすることを防止する目的とした制度です。
 
一方、孫の場合には、こういった過去3年分の贈与については加算されないので、定期金給付契約でない形でのコツコツと贈与した金額がそのまま相続税の課税価格から差し引くことができるので、税金対策としてはおトクになります。
 
ただし、孫が法定相続人に該当する場合などには、加算されますので注意が必要です。
 

教育資金非課税贈与制度

教育資金非課税贈与制度とは、孫への教育資金を援助すると1500万円までの贈与税が非課税となる制度ですので、相続税の税金対策として活用するとおトクになります。以下、制度の概要について確認します。
 
(1)対象期間
平成25年4月1日から令和5年3月31日まで
 
(2)対象者
30歳未満の方(以下「受贈者」)
 
(3)教育資金
1. 学校等に対して直接支払われる入学金、授業料、保育料、入園料、施設設備費、または入学(園)試験の検定料および学用品の購入費、学校の給食費や修学旅行の費用など、学校などで行われる教育に伴い必要な費用などの金銭
 
2. 学校等以外の者に対して直接支払われる教育(例:学習塾、そろばんなど)に関する役務の提供の対価や施設の使用料などやスポーツ(例:野球、水泳など)、または文化や芸術に関する活動(例:絵画、ピアノなど)、そのほか子どもの教養を向上させるための活動にかかわる指導への対価などの金銭
 
(4)必要な手続き
金融機関等との一定の契約が必要となります。具体的には契約に基づき、受贈者の直系尊属(祖父母など)から

1. 信託受益権を取得した場合

2. 書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をした場合

3. 書面による贈与により取得した金銭等で、証券会社等で有価証券を購入した場合、その信託受益権等の価額のうち1500万円までの金額に相当する部分の価額には、金融機関等の営業所等を経由して教育資金非課税申告書を提出することにより、受贈者の贈与税が非課税です
 
なお、贈与者が亡くなった場合には、教育資金の残額が相続財産に加算されたり、学校等以外の者に対して直接支払われたりする教育資金については、非課税拠出額上限が500万円となるなどのルールがありますので、詳細は国税局電話相談センターや税理士などの専門家に相談するとよいでしょう。
 

出典

国税庁 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)
国税庁 祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし
 
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー

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