更新日: 2022.05.12 その他相続

親族の死後、期限内に遺族が申請したら戻ってくるお金とは?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

親族の死後、期限内に遺族が申請したら戻ってくるお金とは?
親族が亡くなると、相続税や未払いの税金など、支払わなければならないお金にばかり目が向きがちです。そのため、反対に戻るお金もあることを知らない人もいるのではないでしょうか。
 
親族が亡くなったときに、遺族が申請して取り戻せるお金は何種類かあります。本記事では、親族の死後に遺族が申請することで戻る可能性があるお金の種類や、申請方法などの情報をまとめました。払い戻しを申請できるお金がないかどうか、チェックしてみてください。
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納めすぎた税金や保険料

亡くなった人に納めすぎた税金や年金保険料、社会保険料があった場合、申請をすると納めすぎた金額の還付を受けられます。還付を受けられる遺族の範囲や手続き方法がそれぞれ異なるため、よく確認して申請しましょう。
 
対象となる主なお金と申請方法は次のとおりです。
 

■所得税

所得のあった人が亡くなった場合、遺族(相続人)が所得金額・税額の申告と納税(準確定申告)をする必要があります。準確定申告を行った後に納めすぎた所得税があった場合は、還付を受けられます。準確定申告の期限は相続の開始を知った翌日から4ヶ月以内です。
 

■国民年金保険料

死亡日によって国民年金の資格を喪失した場合、死亡日の翌日が属する月以降の国民年金保険料が納付済みであれば、原則還付されます。日本年金機構から還付に関する案内が届いたら手続きをしましょう。
 

■健康保険料

健康保険の被保険者が亡くなった際、前納した保険料があれば返還されます。加入していた健康保険組合に「埋葬料(費)支給申請書」を提出し、資格喪失手続きをしましょう。
 

■介護保険料

65歳以上の人が亡くなった場合、納めすぎた保険料があれば「還付通知書」が届きます。通知書を受け取ったら、受領手続きをしましょう。なお、死亡の翌日以降に年金から天引きされた介護保険料の還付を受けるには、日本年金機構や共済組合などの年金保険者へ死亡の届け出が必要となります。
 

■後期高齢者医療保険料

後期高齢者医療被保険者が亡くなったときに払いすぎた保険料がある場合、相続人の代表者に払い戻されます。自治体の担当窓口で、相続人の代表者の申し立て手続きを行いましょう。
 

高額療養費

健康保険や後期高齢者医療保険の被保険者が亡くなったとき、1ヶ月の医療費の自己負担が自己負担限度額を超えていれば、遺族が申請をして払い戻しを受けられます。
 
健康保険から払い戻しを受ける場合は、次の書類を加入していた健康保険組会などに提出しましょう。

・健康保険高額療養費支給申請書
・被保険者との続柄がわかる戸籍謄本など

なお、申請できるのは法定相続人または遺言書で指定された受遺者ですが、相続順位が最も高い人に限られる場合もあります。
 
後期高齢者医療保険から払い戻しを受ける場合は、次のものを持参して市区町村の担当窓口で手続きしましょう。

・相続人代表者の印鑑
・振込先口座(相続人代表者名義)の通帳

なお、申請できるのは、原則として法定相続人に限られます。
 

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死後に支払った医療費は遺族の医療費控除の対象になる

入院費用などの医療費を死後に請求されて遺族が支払った場合、準確定申告時には医療費控除の対象として扱えません。しかし、支払った遺族が亡くなった人と生計を一にしていた(生活資金を共有していた)場合は、支払った遺族の医療費控除に算入できます。
 
戻ってくるお金とは少し違いますが、控除額が増える分、税金の負担が軽くなる可能性があるため、覚えておくとよいでしょう。
 

戻るお金は忘れずに請求を

親兄弟や親族が亡くなった場合、遺族が申請することで、生前に納めた保険料や年金、税金、支払い済みの医療費などの一部が戻ってくることがあります。
 
戻ってくる可能性があるお金の項目は多く、状況によって戻る・戻らないも異なるため、できれば生前に家族で支払いの状況などを共有しておくと手続きがスムーズです。
 
お金の種類によって請求できる遺族の範囲や手続き方法、請求の期限などが異なるため、しっかり確認し、忘れずに請求手続きをしましょう。
 

出典

国税庁 No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)
国税庁 死亡した父親の医療費
全国健康保険協会 前納による納付について
全国健康保険協会 資格の喪失について
全国健康保険協会 高額な医療費を支払ったとき
全国健康保険協会 高額療養費支給申請書の記入の注意点
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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