更新日: 2022.07.11 相続

教育資金の「一括贈与」を利用するための準備と注意点は?

執筆者 : 川辺拓也

教育資金の「一括贈与」を利用するための準備と注意点は?
教育資金の一括贈与とは、30歳未満の子どもや孫に教育資金として活用してもらうことを目的に資金を贈与する際、1500万円までが非課税となる制度です。子どもや孫への贈与対策としても注目されています。
 
では、教育資金の一括贈与は、具体的にどのような手続きが必要となるのでしょうか。本記事は、教育資金の一括贈与に必要な手続きとその注意点について解説します。
 
川辺拓也

執筆者:川辺拓也()

2級ファイナンシャルプランナー

教育資金の一括贈与を利用する場合の手続き


 
教育資金の一括贈与を利用する際は、以下の2つの準備を行う必要があります。
 

●教育資金口座の開設
●金融機関を経由した税務署への必要書類の提出

 
それぞれについて詳細を確認していきましょう。
 

教育資金口座の開設

教育資金口座は、信託銀行などの金融機関で開設することができます。ここで注意点が2つあります。まず、贈与を受ける人(受贈者)1人に対して1つの口座しか作れません。また、複数の金融機関に教育資金口座を分割して作ることもできません。
 
長く使用する可能性のある口座ですので、開設する際は慎重に事業者を選びましょう。
 

金融機関を経由して税務署への必要書類提出

金融機関で教育資金口座を開設したら、必要な書類を税務署に提出します。必要な書類は基本的に以下の3点です。
 

●教育資金非課税申告書
●合計所得金額に関する確認書
●受贈者の確定申告書控えや源泉徴収票

 
教育資金の一括贈与は、受贈者の所得金額が1000万円を超えると活用できません。そのため、所得状況が分かる書類が必要になります。また、必要書類は事業者ごとに異なりますので、具体的な詳細については教育資金口座を開設した金融機関に確認してください。
 

一括贈与をした後の注意点

手続きが無事に済んで、教育資金を一括贈与した後も注意が必要です。教育資金の一括贈与は金融機関が管理し、払い出しについては以下のような制約が設けられています。
 

●贈与されたお金が教育のために使われたことを証明する領収書などの提出が必要
●贈与されたお金を使い切らなかった場合に贈与税が発生する

 
金融機関に領収書などを提出する場合には、図表1と2に示す2通りの方法があります。
 
図表1
出典:国税庁 祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし リーフレット
 
図表2

出典:国税庁 祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし リーフレット
 
さらに、教育資金の一括贈与を受けた場合、そのお金を使い切りませんと、残った分だけ課税されてしまうという点にも注意が必要です。制度を活用する際は将来、具体的にそのお金を何のために使うことになるかをしっかり計画を立てておきましょう。
 

暦年贈与や結婚・子育て資金の一括贈与に係る非課税措置の特例とも併用できる


 
教育資金の一括贈与は、暦年贈与や結婚・子育て資金の一括贈与と併用することができます。
 

暦年贈与:年間で110万円までの贈与であれば非課税となる制度
結婚・子育て資金の一括贈与:結婚や子育てを目的とした贈与で1000万円まで非課税となる制度

 
結婚・子育て資金の一括贈与は、贈与する資金の使いみちが定まっていますので、教育資金の一括贈与と同じ性質を有します。ただし、結婚・子育て資金の一括贈与で利用した領収書は、教育資金の一括贈与に使い回すことができません。
 
利用する目的やタイミングを考慮し、それぞれの制度を上手に使い分けて活用しましょう。
 

教育資金の一括贈与は2023年度で終わる制度なので早めに活用を検討しましょう


 
今回は、教育資金の一括贈与の手続きとその注意点について解説しました。教育資金の一括贈与が利用できるのは2023年3月31日までとなっています(2022年5月時点)。活用できる期間のうちに、しっかりと検討しておきましょう。
 

出典

群馬銀行 よくある質問
池田泉州銀行 複数の金融機関で教育資金贈与専用口座を開設することはできますか。

文部科学省 教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置について

国税庁 祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし

国税庁 祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし リーフレット

 
執筆者:川辺拓也
2級ファイナンシャルプランナー

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