更新日: 2022.07.20 相続

不動産の所有者が亡くなった場合はどうすればいい? 相続手続きの方法を紹介!

不動産の所有者が亡くなった場合はどうすればいい? 相続手続きの方法を紹介!
土地や建物など、不動産を所有している人が亡くなった場合、多くのケースでは配偶者や子ども、親、孫などの親族が不動産を相続します。
 
ただし、不動産を含めた財産を相続する際には、手続きが必要です。相続税の申告期限も考えると、相続が発生した(亡くなった)ことを知った日の翌日から10ヶ月以内に手続きを済ませなくてはいけないため、できる限り事前に準備を進めておきましょう。
 
具体的に何をするのかについて、詳しい内容を解説していきます。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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不動産を相続するときに必要な手続きの流れ

不動産の所有者が亡くなった場合、相続にあたって必要な手続きについて、事前に把握しておけばいざというときに困りません。
 
不動産を相続する際の一般的な流れは、下記の通りです。

1.遺言書の検認を申し立てる
2.遺言書の内容をチェックする
3.相続人を誰にするのか決める
4.財産目録を作成する
5.遺産分割協議を行って合意を得る
6.不動産の名義を変更する
7.相続税の申告や納付を行う

具体的な内容について解説していくので、参考にしてみてください。
 

遺言書の検認を申し立てる

一口に遺言書といっても、「どのように作成したか」によってさらに細かく分けられます。
 
【図表1】

自筆証書遺言 遺言者が自筆で作成し、法務局における保管制度を利用するか、自分で保管する
秘密証書遺言 遺言者が作成し、内容を秘密にしたまま公証役場に遺言書の存在を記録してもらい、自分で保管する
公正証書遺言 遺言者(遺言を残す人)が口頭で述べた遺言内容から公証人が遺言書を作成し、原本を公証役場で保管してもらう

※筆者作成
 
このうち、遺言書が法務局以外の場所で保管されていた自筆証書遺言、もしくは秘密証書遺言だった場合、検認を申し立てなくてはいけません。
 
遺言書の検認とは、相続人に対し遺言書があること、およびその内容を知らせるとともに、遺言書が偽造・変造されていないかどうか確認するための手続きです。遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対して申し立てをします。
 

遺言書の内容をチェックする

遺言書の検認の結果、問題がないと分かったら、遺言書の内容を確認しましょう。もちろん、公正証書遺言や法務局で保管されていた自筆証書遺言の場合は、そのまま内容の確認に進んで構いません。
 
遺言書の内容に従って相続が行われるので、不動産の相続についても言及されているか確認する必要があります。
 

相続人を誰にするのか決める

誰が不動産を相続するのか、相続人を決めていきます。相続人を調べる際には、被相続人が生まれてから死亡するまでの戸籍謄本をチェックしないといけません。
 
被相続人の本籍地が分かっているなら、本籍地の役所、または郵送で戸籍謄本を取得できます。一方、分からない場合は、被相続人の本籍地が記載されている住民票の除票を請求しましょう。
 
いずれにしても、すべて揃えるには時間がかかるので、余裕を持って動くのをおすすめします。
 
戸籍謄本を調べた際に、新しい相続人が見つかったなら、遺産分割協議を再度行わなくてはいけません。そのため、遺産分割協議を行う前に、相続人が誰なのか戸籍謄本を調べて特定することが重要になります。
 

財産目録を作成する

相続人の特定と同時並行で行わなくてはいけないのが、財産目録の作成です。
 
相続財産に不動産が含まれるなら、市区町村から固定資産税の納税通知書が送られてきます。固定資産税の納税通知書が届いていないか、事前に確認しておきましょう。
 
市区町村の役所に出向き、名寄帳の写しを取得すれば、市区町村で被相続人が持っている不動産の種類なども一覧でチェック可能です。併せて活用しましょう。
 

遺産分割協議を行って合意を得る

亡くなった人の遺言書がなかった場合はもちろん、あった場合でも、相続人全員で遺産分割協議を行って、どのような割合で遺産を分けるのか決めることになります。
 
全員の合意が得られたら、誰がどのように財産を相続するのか遺産分割協議書を作成しましょう。
 
遺産分割協議書の作成自体は、法律で義務付けられているわけではありません。しかし、後々になって「言った、言わない」でもめないためにも、書面に残しておきましょう。決まったフォーマットがあるわけではありませんが、以下の4点は必ず盛り込む必要があります。

●被相続人の最後の住所や氏名、死亡日
●相続人全員が合意している旨の内容
●分割する相続財産の詳細
●相続人全員の氏名と住所、実印の押印

また、押されているのが実印であることを証明するために、添付書類として印鑑証明書を用意しておきましょう。
 

不動産の名義を変更する

不動産が相続財産に含まれていた場合は、法務局で相続登記を行い、被相続人から相続人に名義変更しましょう。
 
相続登記を行うためには、登記事項証明書や被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本など、さまざまな書類が必要です。手配に時間がかかるものもあるので、必要になったらすぐに準備を始め、スムーズに手続きが行えるようにしておくことをおすすめします。
 
なお、2024年4月1日から、相続により不動産の所有権を取得した場合、相続の開始および所有権を取得したことを知った日から3年以内に、不動産の名義変更登記をしなくてはいけません。
 

相続税の申告や納付を行う

遺産を相続した場合には、相続税の申告を行う必要があります。相続税の申告および納付期限は、相続が発生したことを知った日の翌日から10ヶ月以内です。
 
期限内に相続税の申告や納付が行えなかったときは、小規模宅地の特例など、相続税に関する特例が適用できなかったり、延滞税がかかったりします。そのため、いつまでに相続税の納付が必要なのか、事前に確認しておきましょう。
 

不動産の相続手続きは事前準備が大切

不動産の相続手続きにあたっては、さまざまな書類の作成、手配が必要です。準備自体に時間がかかります。そのため、全体的な相続手続きの流れを理解しておかないと、余計な手間が発生するかもしれません。「この書類はどこで手配する」など、勘所はあらかじめ押さえておきましょう。
 
加えて、相続税に関しては「相続が発生したことを知った日の翌日から10ヶ月以内」という申告・納付が定められています。期限が過ぎないように適切な対応をしなくてはいけません。
 
今回紹介した不動産の相続手続きの流れを把握して、円滑に申請していきましょう。
 

出典

法務局 主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例
法務省 所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し(民法・不動産登記法等一部改正法・相続土地国庫帰属法)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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