更新日: 2022.07.20 相続

高額な美術品や骨董品の相続には要注意! 遺産の申告漏れに潜むリスクとは?

高額な美術品や骨董品の相続には要注意! 遺産の申告漏れに潜むリスクとは?
遺産の中に美術品や骨董品がある場合、相続税の申告が必要です。
 
しかし、遺産に美術品や骨董品があることを知らない、また価値のあるものだと認識していない場合もあるでしょう。
 
高額な美術品や骨董品の相続税の申告が漏れていた場合、高い加算税が課せられるリスクがあります。
 
美術品や骨董品の相続に関して問題になることや、リスクを確認していきましょう。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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美術品や骨董品は相続税の対象! 相続時に問題になること

美術品や骨董品は相続税の対象になりますが、申告漏れや時価の算定が難しいことが問題点として挙げられます。
 
詳しく解説します。
 

美術品や骨董品の申告漏れは加算税を課せられる可能性がある

被相続人が美術品や骨董品を所有している場合、相続人が遺産に美術品や骨董品があることを知らなかったり、価値があるものだと思わなかったりする場合もあるでしょう。
 
価値のある美術品や骨董品が遺産にあり、相続遺産の申告をしていない場合、万が一その事実が発覚すると、加算税が課せられることがあります。
 
加算税とは、申告が正しく実施されなかった場合に課せられる税金のことです。
 
そのため、相続の前に、遺産に美術品や骨董品があるかどうかを把握し、どれくらいの価値があるか確認しておくことが重要です。
 

美術品や骨董品の時価の算定が難しい

また、美術品や骨董品は、時価の評価が難しいという問題点もあります。
 
価値のある美術品や骨董品の場合、鑑定士に依頼して鑑定額を出し、時価を算定する必要があります。
 
鑑定には費用がかかるため、始めから高額だと分かる美術品や骨董品の場合は迷わずに鑑定に出せますが、価値が分からない場合は、鑑定に出すべきなのか迷う場合もあるでしょう。
 
高額な美術品や骨董品が遺産にあるとは知らずに相続税の申告をしていない場合、リスクがあります。
 

相続税の課税価格に申告しないリスク

相続財産の申告漏れが発覚すると、過少申告加算税が課せられることがあります。悪質だとみなされる場合は、重加算税が課せられる可能性も。
 
相続税の申告漏れが発覚した場合に課せられることがある税金に関して、解説します。
 

過少申告加算税

相続税の申告が漏れていたことが発覚した場合、過少申告税が課せられることがあります。
 
過少申告税とは、期限内に相続税の申告や納税をした場合でも、納めるべき税金が少ない場合に課税される税金のことです。
 
税務署に指摘される前に自主的に申告すれば、過少申告税はかかりません。しかし、税務調査後に指摘され修正申告した場合や、税務調査通知後に修正申告した場合は、過少申告税が課せられます。
 
過少申告税の税率は次のとおりです。

税務調査後に指摘され修正申告した場合

●新たに支払う税額に対する税率:10%
●新たに支払う税金が、当初の申告納税額と50万円のどちらか多い金額を超える部分に対する税率:15%

税務調査通知後に修正申告した場合

●新たに支払う税額が50万円までの場合:5%
●新たに支払う税額が50万円を超える部分:10%

例えば、相続税額の申告書を提出して1000万円分の相続税を支払い、税務調査後に美術品や骨董品の相続税100万円の申告漏れを指摘された場合、過少申告税は15%の15万円課せられます。
 
また、相続税額の申告書を提出して1000万円分の相続税を支払ったが、税務調査の通知が来てから、美術品や骨董品の相続税100万円の申告漏れに気づき、自ら申告した場合は、10%の10万円の過少申告税が課せられます。
 
税務調査前に自己申告すれば加算税は課せられないので、できれば早めに気づいて、自主的に納税したいところです。
 

重加算税

加算税の中で最も重いのが重加算税です。
 
重加算税とは、財産を隠して脱税を図ろうとしたとみなされる場合に、課せられる税金のことです。
 
重加算税の税率は申告や納税の有無によって異なり、図表1の税率で課せられます。
 
【図表1】

パターン 税率
相続税の申告や納税を済ませたが、悪質だと判断された場合 35%
故意に申告していなかった場合 40%

※筆者作成
 
例えば、相続税の申告書は提出済みで、1100万円支払う必要のある相続税を、故意に1000万円しか申告していなかったとみなされた場合、35万円の重加算税を支払う必要があります。
 
計算方法は次のとおりです。
 
100万円×35%=35万円
 
また、相続税を1100万支払う必要があるのに、故意に申告書を提出しなかった場合、440万円の重加算税が課せられます。
 
計算方法は次のとおりです。
 
1100万円×40%=440万円
 
申告漏れが悪質だと判断された場合、重い税率が課せられてしまうことが分かります。
 

被相続人の生前に、美術品や骨董品があるかだけでも確認を

遺産の中に美術品や骨董品がある場合、相続財産としての申告が必要です。
 
しかし、相続の申告や納税を済ませてから、高額な美術品や骨董品があることに気づく場合もあるかもしれません。また、そもそも価値があるものだとは思ってもいない場合もあるでしょう。
 
相続財産のうち申告漏れがあった場合、加算税が課せられる可能性があります。
 
遺産の中に高額な美術品や骨董品があると分かるだけでも対策が可能です。被相続人の生前に遺産の内容を確認しておけば、リスクを減らせるでしょう。
 

出典

国税庁 第5章 第3節 美術品等の評価
財務省 加算税の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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