更新日: 2022.08.23 相続

「多額の相続税」が出る可能性!経営者の相続で気を付けたいことって?

「多額の相続税」が出る可能性!経営者の相続で気を付けたいことって?
会社経営者の相続の場合、会社員よりも相続財産の中身に注意を払う必要があります。経営者には自身の会社との取引があるからです。
 
何も対策を講じないまま相続を迎えてしまうと、思いがけない相続税が発生することもあります。特に家族が会社にノータッチだった場合には、経営者が急死すると大変な思いをすることになるでしょう。
経営者であれば、自身の相続財産について生前に必ず確認をしてください。
 
今回は、経営者の相続は会社員と何が違うのか、何に注意しなければならないのかについて解説します。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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経営者独特の相続財産

経営者の相続財産には預貯金や自宅など一般的なものの他に、会社との取引によって生じる独特のものがあります。特に金額が大きくなりやすいのが、「会社への貸付金」と「自社株式」です。
 
これがなぜ問題になるのかというと、財産価値はあるけれども預貯金のように目に見える財産ではないからです。それぞれを詳しく見ていきましょう。
 

会社への貸付金

ほとんどの中小企業には、経営者からの貸付金があります。中小企業の場合、経営の悪化や設備投資などによって資金繰りが苦しくなると、経営者の個人資金を会社に貸し付けて乗り切ることがあるからです。
 
経営者と一心同体である会社のピンチですから、経営者自身も返済を前提にはしておらず、そのまま貸付金が蓄積し続けていく会社はよく見受けられます。
 
このような経緯があるため経営者は財産と認識していないことが多いのですが、経営者と会社は別人格であるため、貸付金という立派な相続財産になることに注意しなければなりません。そして会社に返済能力がない場合には、ただ名目だけの財産に相続税がかかるため、納税資金に苦しむ可能性が高くなります。
 

会社の自社株式

中小企業の場合、自社株式の大半を経営者と経営者家族が所有しているのが一般的です。経営者が100%所有というのも珍しくありません。株式はその会社の価値そのものであるため、中小企業であっても業績好調な会社だと、その価値は億を超える場合もあります。
 
ただ、上の貸付金と同じように、すぐに換金できるような財産ではないため、手元に納税資金がないにもかかわらず、莫大(ばくだい)な相続税を負担しなければならなくなります。
 

経営者の生前にできる対策

会社への貸付金や自社株式が怖いのは、相続財産になるという認識が薄い点です。大変な思いをするのは経営者本人ではありません。残された家族です。
 
特に経営者がワンマンであり、周囲の人ですら会社の帳簿を見たことがなかった場合、相続が開始して初めて分かることになります。こうなると対策の取りようがありません。経営者であれば、生前にできる限りの対策をしておきましょう。
 

貸付金への対策

返済してもらえる見込みのない貸付金は、相続発生までに残高を減らすことで相続対策になります。減額する方法としては、具体的には次の方法があります。

●経営者の役員報酬を減額し、減額した分を貸付金の返済に充てる
●資本金に振り替える
●債権放棄をして消滅させる
●生前贈与する

方法によっては法人税や贈与税がかかる場合があるため、検討の際は税理士へ相談しましょう。
 

自社株式への対策

貸付金以上に莫大な金額になることもある自社株式には、「事業承継税制」が有効です。
 
事業承継をするためには、経営者が所有している自社株式を後継者に渡す必要がありますが、その渡す行為に対して相続税または贈与税がかかる点が問題となります。事業承継税制は、事業承継のために後継者が取得した自社株式について納税猶予を受けられ、さらに次の後継者に引き渡す際に免除される制度です。
 
自身の死亡と同時に会社も失くしたいと考える経営者は、少ないのではないでしょうか。生前に事業承継を行うことで、自社株式で多額の相続税または贈与税が発生する問題からも解放されます。
 

どうしようもない場合には相続放棄も検討

貸付金や自社株式を相続することによって、多額の相続税が発生し、家族のその後の人生にとって大きな負担となりそうな場合には、「相続放棄」も検討しましょう。相続財産の一切を相続することができなくなりますが、相続することでのマイナスが大きい場合には必要な手段です。
 
相続放棄は、相続開始日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てを行う必要があります。また、自社株式の相続放棄には会社の事情など考慮することがたくさんありますので、弁護士に相談して進めましょう。
 

まとめ

経営者の相続では、会社との絡みによる相続財産がある点に注意しましょう。特に、貸付金や自社株式は億を超えるケースもあります。何より怖いのは、その存在を知らないまま相続を迎えることです。対策はありますので、生前の早いうちに税理士や弁護士などの専門家に相談することが重要です。
 

出典

国税庁 事業承継税制特集
中小企業庁 財務サポート 「事業承継」事業承継の支援策
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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