更新日: 2022.09.29 葬儀

先祖代々続いたお墓を「墓じまい」するか悩む……。最近のお墓事情ってどうなっているの?

執筆者 : 柘植輝

先祖代々続いたお墓を「墓じまい」するか悩む……。最近のお墓事情ってどうなっているの?
価値観やライフスタイルが多様化している現代では、先祖代々受け継がれてきたお墓について「墓じまい」を検討している方も多いようです。
そこで今回は、墓じまいで悩んでいる方に向けて、最近のお墓事情を解説します。

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柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

毎年多くの墓じまいが行われている

墓じまいとは、お墓を解体・撤去する作業のことで、近年は墓じまいを行う方が増えているといわれています。
 
厚生労働省の衛生行政報告例によれば、改葬(お墓の移動)は令和2年度で11万7772件、令和元年度では12万4346件となっており、このデータから毎年多くの墓じまいが行われていることが想定されます。なお、平成20年度の改葬は7万2483件で、この10年少々の間に1.5倍以上と増加傾向にあります。
 
なぜ、多くの方が改葬や墓じまいをしているのでしょうか。株式会社鎌倉新書の「第2回 改葬・墓じまいに関する実態調査(2020年)」によると、改葬・墓じまいをした理由について約60%が「遠方にお墓があるから」と答えています。
 

 
出典:鎌倉新書 【お墓】【第2回】 改葬・墓じまいに関する実態調査(2020年)― 30代の改葬・墓じまい経験者は、お墓の跡継ぎが約9割。早めの状況把握が安心に繋がる ―
 
また、「管理費が掛かるから」という回答もあることから、改葬・墓じまいが増えている背景にはお金や時間など、お墓を維持・管理するための負担にあることが分かります。
 

最近のお墓事情は?

お墓に関するポータルサイト「いいお墓」が実施した「第13回 お墓の消費者全国実態調査(2022年)」では、近年のお墓事情として、一般墓の購入に比べて費用や管理の面で負担が少ない樹木葬や納骨堂の割合が増えています。
 

 
出典:いいお墓 【第13回】お墓の消費者全国実態調査(2022年)霊園・墓地・墓石選びの最新動向
 
樹木葬や納骨堂は平均購入価格が一般墓の半分程度となっており、特に費用面の負担が大きく抑えられます。
 

 
出典:いいお墓 【第13回】お墓の消費者全国実態調査(2022年)霊園・墓地・墓石選びの最新動向
 
年間の管理費について、一般墓は平均約8000円となっており、およそ80%で管理費が発生しています。
 
一方、樹木葬では平均約6000円ですが、管理費が不要というケースが約80%と大多数であるようです。また、納骨堂の場合は平均約1万1000円と最も管理費かかるものの、40%近くが管理費不要となっています。
 

 
出典:いいお墓 【第13回】お墓の消費者全国実態調査(2022年)霊園・墓地・墓石選びの最新動向
 
こうした調査結果からは、将来の負担を考え、今のお墓を墓じまいして樹木葬や納骨堂に切り替えるなど、最近のお墓事情が見えてきます。
先祖代々続いてきたお墓について、墓じまいを考えるというのも決して珍しいことではないといえるでしょう。
 

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近年増えている樹木葬とはどんなもの?

近年増加している樹木葬は、遺骨を埋葬した場所に、墓石の代わりに木を植えて供養するタイプのお墓です。
 
樹木葬は納骨堂と比べても平均的な購入価格が安く、一般的なお墓のように定期的な管理も不要であるため、子どもや孫にも負担がかからず、跡継ぎがいない場合でも安心できるという利点があります。
 
前述の調査でも、2022年に購入されたお墓の約4割が樹木葬ということを考えると、今の主流の1つといえます。
 

納骨堂の特徴とは?

購入したお墓の種類の調査結果では2018年、2022年で全体の20%前後の割合を占めている納骨堂は、お寺の中や公営・民営の施設に設置された納骨スペースに遺骨を保管して供養する方法です。
 
一定期間が過ぎると納骨スペースから取り出され、他の人の遺骨と一緒に供養されることになるものの、一般墓より購入費用がかからず、管理の手間がないことや、室内に設置されるタイプであればお墓参りの際に天気を気にする必要がないというメリットがあります。
 

墓じまいについて悩んだら最近のお墓事情も参考に

最近では樹木葬や納骨堂など、購入費用や管理費用を抑えて、さらに管理の手間もかからないお墓が注目されています。
お墓の今後や墓じまいについて悩んでいる場合は、従来の固定観念にとらわれず、最近の事情も踏まえて無理のない選択を検討してみてください。
 

出典

厚生労働省 衛生行政報告例

 
株式会社鎌倉新書 【お墓】【第2回】 改葬・墓じまいに関する実態調査(2020年)― 30代の改葬・墓じまい経験者は、お墓の跡継ぎが約9割。早めの状況把握が安心に繋がる ―
 
いいお墓 【第13回】お墓の消費者全国実態調査(2022年)霊園・墓地・墓石選びの最新動向
 
執筆者:柘植輝
行政書士