更新日: 2022.10.17 相続税
お墓の購入は生前がお得! 相続税がかからない理由とは?
本記事では、お墓を生前に購入すると相続税がかからない理由や、生前にお墓を購入する際の注意点をまとめました。残される家族のために相続税対策を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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お墓は生前に購入すると相続税対策になる
お墓を生前に購入しておくと、将来自分が亡くなったときに、遺族の相続税の負担を軽減できます。なぜお墓を生前に購入することが相続税の軽減になるかというと、墓石や墓地、位牌(いはい)、仏壇は相続税がかからない財産として相続税法に定められているためです。
親や配偶者などの被相続人が亡くなり、相続が開始されてからお墓を購入しても、かかった費用を相続財産から控除することは認められていません。
しかし、お墓を生前に購入しておくと、購入にかかる数十~数百万円分の費用を財産から負担するため、課税対象となる相続財産が減ることとなります。結果として、相続税の金額を大きく減らすことが可能なのです。
墓石や墓地が相続税の課税対象とならない理由
墓地や墓石、仏壇など祖先を祭るのに用いる財産は「祭祀(さいし)財産」とよばれ、相続税が非課税とされています。その理由として、「系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する」と民法に定められている点が挙げられます。
そのため、墓地や墓石をはじめとする祭祀財産は、相続開始とともに相続人全員に平等に権利が発生する一般の相続財産とは区別して、相続分や遺留分の算定対象にはカウントしないことになっているのです。
また、日常的に礼拝の対象とされる祭祀財産の性質上、公益性や国民感情、社会政策的な観点などが考慮され、非課税とされている側面もあります。
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相続税対策として生前にお墓を買う場合の注意点
生前にお墓を買うと、そのままでは将来相続税が課税される現金を、お墓という相続税非課税の財産に変えて遺族に相続でき、相続税を節税できます。しかし、お墓の購入時に次の2つの点に留意しなければ、相続税対策として機能しない可能性があるため、注意しましょう。
・現金で一括購入する
・不自然に高価なものを購入しない
どのような理由で注意が必要なのか、それぞれ解説します。
現金で一括購入する
お墓を購入する際にローンを組むと、亡くなるまでに全額支払いが終わらない可能性があります。被相続人がローンなどの債務を残した場合、通常は遺産総額から債務を差し引いて相続税の計算をします。
しかし、お墓などの非課税財産を購入するために負った債務は、税額計算のルール上、遺産総額から差し引くことができず、節税効果もなくなります。加えて、残ったローンの返済義務も相続人が負うことになるため、かえって負担を増やす可能性もあるでしょう。
相続税対策としてお墓を購入する場合は、一括購入するか、ローンの場合は極力支払い回数を減らして、確実に支払いを終えられるようにすると安心です。
不自然に高価なものを購入しない
墓地や墓石は原則として相続税が課税されない財産ですが、例外として投資対象として価値があるものなどに関しては相続税がかかる場合があります。
そのため、宝石を使った墓石、純金製の祭具など不自然に高価なものを購入すると、税務署に投資目的や課税逃れと判断され、非課税財産とは認めてもらえない可能性があります。
生前にお墓を購入すると家族の負担を減らせる
お墓は祭祀財産として一般的な相続財産とは区別され、遺族が相続しても相続税がかかりません。そのため、生前にお墓を購入しておくと、購入費用の分だけ相続税の課税対象財産を減らせ、残された家族の税負担を軽減できます。
ただし、ローンで購入して亡くなったあとに未払い残高がある場合や、高価なものを購入して投資目的とみなされた場合には、相続税対策になりません。生前にお墓を購入するときのポイントを押さえて、遺族の負担を上手に減らしましょう。
出典
国税庁 No.4108 相続税がかからない財産
国税庁 No.4126 相続財産から控除できる債務
e-Gov法令検索 相続税法
e-Gov法令検索 民法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部