更新日: 2023.01.25 その他相続
空き家の売却に税金がかからない? 相続で得た空き家の対処法を紹介
そこで今回は、空き家を所有することによるデメリットについて紹介し、具体的にどのような対処法があるのかについても紹介します。図らずも空き家を相続した人や、これから相続する予定のある人はぜひ参考になさってください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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空き家を所有することのデメリットとは
相続で取得した空き家であっても、所有者は固定資産税を払い続ける必要があります。大前提として、住まない空き家であっても所有するだけで納税義務が生じるということは覚えておきましょう。
ほかにも、空き家を所有することにはいくつかのデメリットがあります。
●空き家の維持管理費用がかさむ
●所有者の居住地から離れた地域の空き家である場合、直接管理が厳しいため防犯上・防災上好ましくない
●特定空き家に指定された場合、固定資産税の住宅用宅地特例の適用除外となる
空き家といえども、所有者は適切に維持管理することが求められます。所有者の住んでいる地域から近い場所にある空き家なら往来しやすく管理もしやすいでしょう。一方、そうではない場合には注意が必要です。
なかなか管理できない空き家は老朽化が進み、地域の景観を損なうだけでなく、野生動物が住みついたり不法投棄の温床になったりするリスクがあります。
それだけでなく、防犯上・防災上のリスクが高まります。具体的には、台風など自然災害によって空き家が損壊した場合に近隣住民へ迷惑がかかることや、放置された空き家に対して窃盗や放火被害に遭う危険性もあります。
このような状態のまま空き家を放置していると、空き家の所在地である市町村から「特定空き家」に指定されるリスクがあります。
特定空き家とは?指定される前に処分を検討しよう
国土交通省では、平成26年に交付された「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づいて作られた、特定空き家に対するガイドラインを公表しています。
このガイドラインには、特定空き家に指定された場合に発生するデメリットについても明記してあります。ガイドラインで明記されている、空き家の所有者が被るかもしれない主なデメリットは次の2点です。
●特定空き家の修繕など、空き家所在地の市町村による命令に従わない場合には50万円以下の過料がかかる
●固定資産税の住宅用地特例の適用除外となる
これら2点は、いずれも空き家の所有者に対する金銭的なデメリットが大きいものです。特に固定資産税の住宅用地特例の適用除外となるのは、かなり大きな金銭的負担になると推察されます。
固定資産税の住宅用地特例とは、土地に住宅がある状態であれば、本来の固定資産税評価額の6分の1でよいとされるものです。しかし特定空き家に指定された場合、この特例の除外となるため、指定前の固定資産税の6倍を納税することになります。
相続で得た空き家の売却には税制優遇がある
前述のように、空き家を所有しつづけることで考えられるリスクやデメリットは多くあります。
相続で取得した場合は、生家など思い入れの深い家であることが多いため、なかなか処分に進めない人も少なくないでしょう。しかし金銭的な負担が長期間に渡るかもしれないことを考えると、売却や処分などを検討する方が懸命かもしれません。
例えば、相続で得た空き家を売却する場合には、税制優遇措置が適用されます。次の条件を満たしている空き家であれば、その空き家を譲渡(売却)して得た利益から3000万円を控除できます。
●被相続人が1人で住んでいた住居であること
●被相続人が死亡した後に誰も住んでおらず他人に貸借するなどもしていない(完全に空き家であることが条件)
●被相続人が介護療養などで老人ホーム等へ入居したことによる空き家も対象となる
●昭和56年5月31日以前に建築された住居であること(一定の耐震基準を満たしていること)
なお、空き家となっている家が古く耐震基準を満たしていない場合には、譲渡(売却)する前に耐震化リフォーム等を施すことで、3000万円控除の対象となります。
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まとめ
相続で得た空き家をそのままにしておくと、さまざまなリスクやデメリットがあります。維持管理ができないことで、空き家の価値も下がり続ける一方です。そのため、可能な限り早い段階で売却などの譲渡を検討したほうがよいでしょう。
どのような方法を選ぶかは、すぐには決断できないかもしれません。その間も、少なくとも特定空き家に指定されることがないよう、最低限の維持管理を心がけましょう。
出典
国土交通省 「特定空き家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
※2023/1/25 記事に一部誤りがあったため、修正いたしました。
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部