故人を追善供養する仏教の法要。その内容と費用は?
配信日: 2017.10.27 更新日: 2019.01.07
初七日から始まり、節目に法要が営まれることになっていますが、最近では、いくつかを省略するケースも多くなっています。
葬儀時と異なり、葬儀社などのサポートはありませんので、原則遺族で仕切る必要があります。
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亡くなってから四十九日までの法要
葬儀が終わり、まず来るのが「初七日」です。仏式では、四十九日まで7日ごとに「追善供養」を行うとされてきました。追善供養とは、生きている人が、故人の冥福を祈ることで、その徳を故人に振り向けることになり、それが自分たちにも戻ってくるという仏教の思想に基づく儀式です。
仏教では亡くなってからの49日間を「中陰」といい、死者が現世と冥土の間をさまよっていると考えます。死者が成仏できるように初七日以降、7日ごとに追善供養をするとされています。ただ最近は、初七日の法要は告別式の際に済ませ、7日ごとの供養は省略して四十九日の法要を行うことが多いようです。
四十九日の法要は、死者の霊が成仏する日と考えられており、仏式ではきわめて重要な儀式です。これを節目に「忌明け」になるとされるため、親族だけでなく知人も招き法要を行い、この日までに準備できていれば、墓への「納骨」を行います。
亡くなった後、初めて迎えるお盆を、「新盆」または「初盆」と呼びます。お盆は先祖の霊が自宅に帰ってくるといわれ、霊が迷わないよう家の前に提灯を吊るし、僧侶を呼び、経をあげてもらうこともあります。
一周忌、三回忌、三十三回忌
故人が亡くなった月日(「祥月命日」という)に合わせて「年忌法要」を行います。亡くなった翌年が「一周忌」、2年後が「三回忌」です。三回忌以降は、死亡年を含めて数え年で計算します。この二つの法要は、親族だけでなく、故人と親しかった人も参加して行います。僧侶を呼ぶ場合も、なるべく早く連絡し、支障のないようしたいものです。
会場は会食と法要が同時にできるホテル、斎場、寺院などで行います。命日が平日にあたる場合、親族や友人が集まりにくいので、命日より前の休日に行うことが多いようです。命日より後の休日は避けたほうがいいでしょう。
三回忌以降の決められた祥月命日には、親族など内輪の人だけが集まり営むのが一般的です。通常、6年目に行う七回忌、続いて十三回忌、十七回忌、二十三回忌に法要を営むとされています。最近ではこれらの法要を省略することも多いようです。最後の法要が「三十三回忌」または「五十回忌」です。法事の中心だった子の世代も亡くなっているケースもあり、三十三回忌をもって最後の法要とすることが増えてきました。
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法要にかかる費用
法要を営むとなると、葬儀ほどではありませんが費用はかかります。僧侶を呼ぶ場合は、「御布施」「車代」「御膳料」がかかります。通常、御布施として3万円~5万円、僧侶に出向いてもらう場合に車代として1万円以上、寺院での法要で会食をしないケースや、会食に僧侶が出ない場合に、御膳料として5千円~1万円です。法要は何度もお願いすることになるので、事前にこちらの意向を伝え了解を得られると安心です。僧侶に金額で相談することに問題はありません。
墓に卒塔婆を立てる(浄土真宗を除く)場合は、「卒塔婆代」として2千円~3千円、お供えとなる「供物・花代」として1万円~2万円ほどはかかります。このほかに、人数で変わりますが、参加者の「会食費」、参加者へお礼として配る「引き物代」がかかります。寺院でなく、別の会場を借りる場合は「会場費」も必要になります。