わが家にまさかの「お宝」が!? 骨董品の相続に税金はかかる? 見つけたらどうすればいいの?
配信日: 2023.03.24
本記事では、実際に自宅から思いがけないお宝となる骨董品が発見された際の税金や相続について解説します。訪れるかもしれない万が一の事態に備えて、ぜひ読んでみてください。
執筆者:橋本華加(はしもと はるか)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
自宅から骨董品が見つかったらどうする?
まずは、自宅から価値が分からない骨董品が発見された場合にどうしたらよいのかを解説します。考えられる選択肢としては、以下の5つです。
・骨董品買取業者に査定を依頼する
・知り合いなどに譲渡する
・地方公共団体などに寄贈する
・オークションなどの個人取引サイトで販売する
・ごみとして廃棄する
骨董品は見た目で価値が分かりづらいのがネックですよね。手間をかけるのがわずらわしい場合は廃棄もやむなしかもしれませんが、万が一、価値があるものだったケースを考えるなら、まずはプロの目での査定をおすすめします。買取業者に売るかどうかは別にしても、出どころや価値などの参考が分かるだけで、その後の対応を決めやすくなります。
なお、査定を依頼する場合は、最初から1社にしぼる必要はありません。複数社から相見積もりを取ることで、より納得のいく取引が実現できる場合があります。
自宅で見つかった骨董品に税金がかかるパターンは?
自宅から思いがけず価値ある骨董品が発見された場合、新たに税金が発生する可能性があるパターンは以下のとおりです。
・骨董品の売却によって30万円を超える利益が出た場合(譲渡所得による所得税)
・個人事業主や法人の財産として資産計上する場合(固定資産税)
・所有者の死亡によって相続が発生した場合(相続税)
つまり価値のある骨董品の所有者が移転する際、何かしらの税金がかかる場合が多いと考えましょう。
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骨董品の相続が発生した場合はどうしたらよい?
もしも価値のある骨董品の相続が発生した場合、価値に応じた相続税が発生します。骨董品の価値は原則として以下の価格を参考に時価で決められます。
・売買実例価額
・精通者意見価格
「売買実例価額」とは、中古市場で実際に取引されている実例の価格を参考にした価格のことです。骨董品や美術品には、年代や保管状況などが全く同じものが取引されることはまれなため、できるだけ近いケースに当てはめて対応します。なお、骨董品買取業者の査定価格も売買実例価額として取り扱われます。
「精通者意見価格」とは、その名のとおり専門家による鑑定価格のことです。一点物などの希少性が高く、前例がない品の価格を決める際に使われます。
このような方法により算出された価値を基に、相続税を算定するわけですが、相続税には「3000万円+600万円×相続人の人数」の基礎控除が設定されているため、骨董品を含めた相続財産全体の額をみて、骨董品を相続するかどうかを検討してください。
もしも骨董品の相続についてトラブルが予想される場合は、贈与や寄贈などの対策を検討しましょう。価値のある財産が見つかった際は、お近くの税理士や税務署へ相談をおすすめします。
出典
国税庁 財産を相続したとき
国税庁 第5章 第3節 美術品等の評価
執筆者:橋本華加
2級ファイナンシャルプランニング技能士