更新日: 2023.04.28 贈与

息子に毎年「110万円」を相続税対策として贈与しています。制度が変わると聞きましたがどうなりますか?

執筆者 : 古田靖昭

息子に毎年「110万円」を相続税対策として贈与しています。制度が変わると聞きましたがどうなりますか?
相続税対策をするために、毎年110万円の範囲内で子どもに贈与している人も多いのではないでしょうか? 2022年12月に、2023年度の税制改正大綱が閣議決定され、生前贈与の制度改正に関する内容が盛り込まれました。
 
本記事では、2023年度の税制改正大綱によって生前贈与の制度がどのように変わるのかについて解説します。
 
古田靖昭

執筆者:古田靖昭(ふるた やすあき)

二級ファイナンシャルプランニング技能士

生前贈与の現行制度について

2023年度の税制改正大綱によって、生前贈与の方法である「暦年課税制度」と「相続時精算課税制度」の両方が見直されました。まず、それぞれの現行制度について見ていきましょう。
 
暦年課税とは、1月1日から12月31日までの1年間に贈与された金額に対して課税される制度です。ただし110万円の基礎控除額があるため、その範囲内であれば贈与税がかからず、110万円を差し引いた金額に対して課税されます。なお贈与した人が亡くなった年以前から3年間に贈与した財産は、相続時に相続財産として加算しなければなりません。
 
相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母または祖父母などから、18歳以上の子どもや孫に贈与することで、2500万円までの贈与について贈与税がかからない制度です。
 
なお2500万円を超える場合、20%の贈与税が課税されます。もし贈与した人が亡くなった場合、相続時精算課税制度で贈与された財産は、相続財産として贈与時の時価額で加算する必要があります。
 

暦年課税制度の見直し

暦年課税の現行制度では、相続財産に合算される期間が3年間だったものに対して、2023年度の税制改正において、7年間に延長されます。なお相続の開始前3年超7年以内に贈与した財産は、贈与財産の合計額から100万円を控除することが可能です。
 
施行は、2024年1月1日以後の贈与からとなります。
 
例えば、相続人が長男と長女の場合で、相続財産が現金1億円、生前贈与として2人に110万円ずつを贈与していたとします。
 
改正前であれば、1億円+生前贈与660万円(長男と長女への3年分の贈与)=1億660万円であり、相続税を計算すると、2人分併せて892万円です。
 
しかし改正後で計算すると、1億円+生前贈与1540万円(長男と長女への7年分の贈与)-200万円(2人分の控除額)=1億1340万円となり、相続税を計算すると、2人分併せて1028万円になります。
 
改正前と改正後を比べると、136万円分が増税されます。
 

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相続時精算課税制度の見直し

2023年度の税制改正により、2500万円の非課税枠に加えて、110万円の基礎控除を毎年受けられるようになります。また現行制度では、相続時精算課税制度を利用した場合、毎年少額であっても贈与税の申告が必要だったものに対して、110万円の基礎控除額以内であれば、贈与税の申告が不要になりました。
 
また、相続時精算課税制度を利用して贈与した財産は、現行制度であれば災害などで財産に損害が出たとしても贈与時の金額で相続財産に加算されていました。しかし災害などで一定以上の被害が出た場合、贈与時の金額から災害による損害額分を控除できるようになります。施行日は、2024年1月1日です。
 

2023年度税制改正によって生前贈与のやり方が変わる

現行の相続時精算課税制度は、2500万円の贈与税の非課税枠があったことで贈与のしやすさがあった反面、結局相続時に課税財産として加算しなければならないため、節税対策としては利用されてきませんでした。
 
一方で暦年課税制度は、110万円の基礎控除額の範囲内で年数をかけることで着実に、相続財産を減らせるため節税対策として利用されてきました。
 
しかし2023年度の税制改正によって、暦年課税制度の相続財産への加算が3年から7年に延長されたことで、節税対策として使いづらくなりました。
 
また現行制度とは変わって相続時精算課税制度に、110万円の基礎控除額が加わったことによって、贈与のしやすさだけではなく節税対策として利用される可能性も高まると考えられます。
今後、父母や祖父母から、子どもや孫に対しての生前贈与のやり方が変わることになるでしょう。
 

出典

財務省 令和5年度税制改正の大綱
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択
 
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士