相続税の申告後、別の財産を発見! どうすればいいの?

配信日: 2023.06.26

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相続税の申告後、別の財産を発見! どうすればいいの?
相続が発生すると、相続人は、遺産分割協議や相続税の申告などの手続きを行います。これらの手続きにはそれぞれ期限があり、それまでに手続きを終えなければなりません。
 
しかし、これらの手続きを終えた後、新たに別の財産を発見することもあり得ます。本記事では、相続税の申告後、新たに別の財産を発見した場合にどうすればいいかについて、解説します。
中村将士

執筆者:中村将士(なかむら まさし)

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

まずは誰が相続するのかを決める

遺産分割協議を行う際、新たに相続財産を発見したときに備え、遺産分割協議書に以下のような文を記載するのが一般的です。


【文例1】本協議書に記載のない遺産および後日判明した遺産については、相続人全員がその財産について再度協議を行うこととする。

【文例2】本協議書に記載のない遺産および後日判明した遺産については、相続人○○が全てこれを取得する。

文例1の場合、新たに発見した相続財産について、相続人全員で分割協議を行うことになります。文例2の場合は、分割協議を行わず、特定の相続人が、新たに発見した相続財産を相続することになります。
 
しかし、新たに発見した相続財産によっては、全ての相続財産について、改めて分割協議を行うことも考えられます。このとき、既に分割協議(相続)が終わった財産については、相続人間で譲渡や贈与があったものとみなされ、所得税や贈与税などが課税される可能性がありますので、注意が必要です。
 

相続税の訂正申告または修正申告をする

相続税の申告後、新たに相続財産を発見し、相続税額が変わることになった場合、再度、相続税の申告をする必要があります。この申告は、申告期限内(その相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内)か申告期限後かによって異なります。
 
申告期限内である場合は、新たな財産を含めたものに訂正した申告書を提出します。これを「訂正申告」といいます。訂正申告の場合、不足分の相続税を納付すれば足ります。なお、納付期限は申告期限と同じです。
 
一方、申告期限を過ぎている場合は、「修正申告書」を提出しなければなりません。これを「修正申告」といいます。修正申告の場合、不足分の相続税のほか、過少申告加算税や延滞税などが課税される場合があります。なお、納付期限は修正申告書を提出した日となりますので、注意が必要です。
 

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まとめ

相続税の申告後、別の財産を発見した場合、以下のことをする必要があります。


(1)誰が相続するのかを決める(遺産分割協議)
(2)相続税の訂正申告または修正申告をする

相続税の申告・納付については、それが申告期限内か申告期限後かによって、図表1のような違いがあります。
 
【図表1】

申告期限内 申告期限後
相続税の申告 訂正申告 修正申告
相続税の申告書 提出した申告書を訂正したもの 修正申告書
納付する税金 相続税の不足分 相続税の不足分
過少申告加算税
延滞税など
納付期限 相続税の申告期限 修正申告書を提出した日

※筆者作成
 
相続発生後、遺産分割協議や相続税の申告・納付をするのは、相続人にとって、かなりの負担になります。できることなら、これらの手続きは1回で済ませたいものです。
 
しかし、相続税の申告後、新たな相続財産を発見する可能性はあります。また、新たな相続財産を発見しなくても、申告した相続税額に誤りを発見する可能性もあります。そのようなとき、本記事が参考になれば幸いです。
 

出典

e-Gov法令検索 「相続税法」
国税庁 「相続税の申告のしかた(令和4年分用)」
 
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

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