更新日: 2023.07.02 相続税
親から「5000万円」の財産を相続することに! 相続税を「ゼロ円」にするにはどうすればいい?
本記事では、具体的にどんな節税の方法があるかみていきます。
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前提として知っておきたい「基礎控除」について
相続税には基礎控除があり、次の計算式で算出される金額までは相続税がかかりません。
基礎控除額=3000万円+600万円×法定相続人の数
例えば親の法定相続人が子ども2人だった場合、相続税の基礎控除額は次のように計算されます。
3000万円+600万円×2人=4200万円
親から相続する財産が5000万円ならここから基礎控除額を差し引き、5000万円-4200万円=800万円に対してだけ相続税がかかるわけです。
次の項からは一例として、この800万円も相続税の対象外にできる方法を紹介します。
贈与税が発生しない「暦年贈与」を相続税対策に活用する
相続税対策として、「暦年贈与」を活用する例は多いです。暦年贈与とは年間110万円までの贈与であれば、贈与税が発生しないというルールを指します。暦年贈与の範囲内で親が子どもにお金を贈与しておけば、その分だけ相続税の対象となる金額を減らせるわけです。
例えば子ども1人に毎年100万円ずつ贈与するとして、子ども2人なら毎年合計200万円ずつ相続税の対象から外せることになります。その上で、これを4年続ければ200万円×4年=800万円を相続税の対象外にできるわけです。
なお「亡くなる前の3年間(2024年以降は7年間)に贈与された分は、相続財産に加算する」という別のルールもあるので注意してください。例えば子どもに100万円を贈与して、その翌年に親が亡くなれば、この100万円分は相続税の対象となります。
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生命保険の非課税枠を活用する
「自分が亡くなったときに子どもにお金を遺(のこ)したい」という目的で、親が契約した生命保険は相続税の対象です。しかし生命保険には、下記の非課税枠があります
生命保険の非課税枠=500万円×法定相続人の数
例えば死亡保険金が1000万円で、法定相続人が子ども2人とします。この場合、非課税枠は500万円×2=1000万円となり、死亡保険金をまるまる相続税の対象から外せるのです。
ちなみに相続税向け対策の生命保険として、保険料を契約時に一括で支払う「一時払い終身保険」がよく使われます。例えば非課税枠1000万円分をまるまる活用したいなら、死亡保険金が1000万円以上の一時払い終身保険を契約すればよいわけです。
結婚・子育て用資金一括贈与の非課税枠を使う
相続税対策として、結婚・子育て資金を親から子どもへ一括贈与する際の非課税枠を使う方法もあります。18歳以上50歳未満の子どもや孫へ、結婚や子育て目的の資金を一括贈与する場合、1000万円までは非課税にできます(結婚資金は300万円まで)。
なお、このルールを使う場合、金融機関に専用の口座を開設しそこへ該当する資金を預ける必要があるので注意してください。詳しいルールなどは金融機関に確認するとよいです。
本記事で紹介したように、きちんと対策すれば相続税を節税できます。両親などからまとまった金額を相続する可能性がある場合、相続税対策について検討されてみてはいかがでしょうか。
執筆者:小泉健太郎
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