更新日: 2023.07.14 贈与
子どもの口座に毎年「100万円」入金しています。非課税の範囲内なので「贈与税」は不要ですよね?
本記事では、子どもの口座へ毎年100万円ずつ入金する場合、贈与税は課されないのか解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年間100万円であれば原則課税されない
贈与税には暦年課税という仕組みがあり基礎控除額の110万円以下の場合は原則課税されません。その年の「1月1日から12月31日まで」の間に贈与した金額を合計し、基礎控除額を差し引いた金額が課税対象となります。
確定申告をする必要もないため、少額を家族等に贈る場合は時間や手間もかからないメリットがあります。
非課税の範囲でも課税される可能性がある
年間110万円まで非課税となるのであれば、2000万円の財産を毎年100万円ずつ20年間にわたって渡し続けると課税されないのではないかと考える人も多いかもしれません。
確かに年間贈与額は基礎控除額を下回るため、本来であれば課税されません。ただし、上記のような場合は定期的に贈与する契約が存在するとみなされ、贈与税の課税対象となる可能性があります。年間単位では少額でも、実質的に2000万円の贈与を受けたと判断されるためです。
非課税額に抑えているから問題ないと安易に考えると、将来的に税務調査などのリスクが発生する可能性もあるので、注意しましょう。
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贈与税の対象とならない場合もある
一方で年間の贈与額が基礎控除額を上回る場合でも、課税対象とならない場合があります。例えば、「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費にあてるために取得した財産で、通常必要と認められる」と課税されません。子どもの養育費や教育費がこれに該当します。
結婚式や披露宴を開催するために親から支援を受けた場合も「個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝い物または見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められる」ため原則贈与税の対象となりません。
贈与税の対象となるかどうかは、財産の性質や贈与目的などをもとに判断されると言えるでしょう。そのため、子どもの口座に入金する場合は、贈与する目的は何か明確にしてメモなどで記録することをおすすめします。
今回の事例でも、教育費や大学生が1人暮らしをする際の生活費などとして使うのか、使途目的が自由なお小遣いとして渡すのかでは、意味合いが変わります。同じ金額でも前者は通常生活に必要かつ社会通念上相当と認められて非課税となる可能性がある一方で、後者は却下されて課税されるおそれもあります。
まとめ
今回は子どもの口座に毎年100万円ずつ入金している場合、非課税の範囲内だから納税する必要はないのか解説しました。課税する必要があるかどうかは、個別具体的な事象に左右されます。基礎控除額を上回るかどうかのみで判断されるわけではありません。
子どもの口座に入金する場合は、贈与を受ける側の子どもにも伝えておきましょう。受贈側が贈与の事実を把握し、必要に応じて申告するのが基本的な仕組みだからです。全く何も伝えないまま入金を続け、まとまった金額になった状態で親にもしものことがあると贈与税や相続税の課税対象となる可能性もあるので、注意しましょう。
出典
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー