更新日: 2023.07.30 贈与
父が「タンス預金」をしていますが、防犯的にやめさせるべきでしょうか? 税金などはかかりますか?
そこで本記事では、タンス預金の是非が判断できるように、メリットとデメリットなどを詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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タンス預金のメリットは?
タンス預金のメリットは大きく2つに分けられます。
必要に応じて現金が用意できる
金融機関に全額を預けている場合、現金が必要になったらATMや窓口に向かわなければなりません。定期預金を組んでいると、規約によってはスムーズに解約できないケースもあります。タンス預金にはそのような縛りが一切なく、自分のニーズに合わせて柔軟に活用が可能です。また、金融機関の営業時間や手数料を気にする必要もありません。
金融機関の破綻と無関係
タンス預金なら金融機関が破綻しても損失は発生しません。金融機関の預貯金は完全に保護されるわけではなく、状況によっては全額が受け取れない可能性もあります。利息がつく定期預金や普通預金は、1000万円の元本および破綻までの利息だけが保護の対象です。タンス預金はそのような上限を意識することなく続けられます。
タンス預金の注意すべきデメリット
タンス預金のデメリットとして以下の2点が挙げられます。
犯罪に遭って失うリスク
空き巣や強盗の被害に遭ったとき、タンス預金は奪われてしまう可能性があります。また、悪意のある人物がタンス預金の存在を知ると、電話による詐欺行為などを仕掛けてくるかもしれません。
現金がすぐ手に入るうえに、金融機関を介さないので証拠が残りにくく、犯人にとって都合が良いからです。これらのリスクを想定し、自身でセキュリティを強化するような対策が必要になります。
インフレで資産価値がダウン
使わない限り、タンス預金が減ることはありません。しかし、それは額面上の話であり、物価が上昇した場合は相対的に価値が下がります。インフレ対策で金利が上がっても、利息がつかないタンス預金に影響はなく、恩恵を受けられないのが実情です。このように目減りを抑制できないため、投資などのアプローチで資産を増やすこともポイントになります。
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タンス預金の相続や贈与
資産の相続や贈与を行う場合、金額に応じて税負担が生じます。タンス預金も同様で、貯めているだけなら課税されませんが、他者に譲る場合は納税対象になる可能性があります。金融機関を通さないからといって、気軽に家族などに手渡す行為は避ける必要があります。
この行為は贈与に該当し、年間で110万円の基礎控除額を引いた分が課税の対象です。相続税と贈与税のどちらに関しても、申告書を作成して税務署に提出しなければなりません。
なお、相続は本人が死亡してから行われるため、タンス預金の扱いに関して生前に相談しておくのが理想です。申告を怠った場合は、無申告加算税や重加算税を課せられる可能性もあるので気を付けましょう。
身内の課題として話し合うことも大切
タンス預金にはメリットもありますが、注意が必要なデメリットも存在します。すでに始めている場合は、両方を把握して必要性を再検討することが大事です。なお、父親などの身内が行っていると、相続や贈与という形で自身も関わることになりかねません。リスクに関する認識を共有したうえで、タンス預金の今後について話し合う機会を持ちましょう。
出典
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー