更新日: 2023.09.13 贈与
妻に生活費として「200万円」振り込みました。110万円を超えているなら贈与税はかかりますか? 家賃や光熱費なら「非課税」でしょうか?
本記事では、毎月の家賃や水道光熱費の支払いに使うために、夫から妻の銀行口座に200万円を振り込んだ場合、課税対象となるのか解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
生活資金のやりとりは原則課税されない
結論からいえば、家族が生活するために必要な資金のやりとりを行った場合は基本的に贈与税の課税対象となりません。
具体的には家賃や水道光熱費、食費などが挙げられます。日常生活をするために必要不可欠な経費として考えられるため、これらの支払いに充てるために資金移動を行った場合は贈与とはみなされません。
国税庁も「贈与税がかからない財産」として「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」を挙げており、生活費だけでなく子育てにかかる費用も含まれます。
生活費目的でも課税されることもある?
日常生活に必要な支払いのために資金のやりとりを行った場合は基本的に贈与税の課税対象となりませんが、たとえ生活費目的でも場合によっては課税される可能性もあります。
・明らかに使い切れない金額を振り込んだ(受け取った)
・実際は生活費ではなく高級車や不動産、その他株式等の金融商品の購入に充てた
・夫から振り込まれた資金を使わずに貯蓄に回していた
以上のような場合は事実上「夫から妻に贈与があった」とみなされ、場合によっては課税される可能性があるので注意が必要です。
【PR】「相続の手続き何にからやれば...」それならプロにおまかせ!年間7万件突破まずは無料診断
贈与税の基本的な仕組み
贈与税は基本的に個人からその年の1月1日から12月31日までに取得した財産を合計し、合計金額から基礎控除110万円を引いた金額に税率をかけて税額が計算されます。
これを暦年課税といい、一般的に課税金額が200万円の場合は10%、3000万円を超える場合は55%(控除額400万円)かかります。贈与税の話題になると「110万円までなら課税されない」と言われることも多いのはこのためです。
ただし「110万円を超えなければ絶対に課税対象とならない」わけではなく、毎年100万円を10年間贈与する契約になっているなど定期贈与とみなされる場合は贈与税がかかるので要注意です。
贈与税の課税方法としては他にも相続時精算課税の仕組みがありますが、これは60歳以上の両親や祖父母などから18歳以上の子どもや孫に贈与が行われた場合に選択できる制度です。一定の要件を満たす必要があり、一旦相続時精算課税制度を選択すると選択した年以降に暦年課税に変更することはできません。
まとめ
今回単発的に夫から妻の口座に200万円を振り込み、使用目的が家賃や水道光熱費、子どもの教育費など日常生活で必要なお金のやりとりだった場合、原則贈与税は発生しないため、確定申告もする必要がありません。
ただし、生活費として振り込まれたにもかかわらず、高級ブランド品の購入やギャンブルなどに使っていた場合や全く使わずに貯蓄した場合は贈与税の課税対象となる可能性が高いので注意しましょう。
出典
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー