更新日: 2023.09.12 贈与

姉が結婚資金として「200万円」を父からもらいました。税金がかかるので、110万円までのほうが良いのではないでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

姉が結婚資金として「200万円」を父からもらいました。税金がかかるので、110万円までのほうが良いのではないでしょうか?
挙式や新生活の費用など、結婚するときは多くのお金が必要になります。2人の経済力ではカバーしきれず、親から資金援助を受けるケースも多いです。
 
その援助額が大きいと、税金がかからないか心配になる場合もあるでしょう。110万円以下の贈与なら課税されないと聞き、減らしたほうが良いと思うかもしれません。そこで本記事では、200万円の結婚資金を姉が父からもらうケースを想定し、贈与税に関する情報を詳しく紹介していきます。
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贈与はいくらから課税対象になるのか?

前提として、贈与税がどのようなものか理解しておきましょう。財産を別の個人に与える行為が贈与であり、それを受け取った側には贈与税が課されます。この税額を自分で計算して、確定申告を行わなければなりません。
 
ただし、贈与の全額に課税されるわけではなく、1年あたり110万円という基礎控除額が設けられています。この基礎控除額を贈与額から差し引いたうえで、税率をかけて求める値が課税額です。残額が0円なら税率をかけた後も0円なので、贈与税は発生しないことになります。
 
言い換えると、課税されるのは贈与額が110万円より多いケースです。また、上記の基礎控除額は、あくまでも受け取る側の合計額に対するものです。複数の人から贈与されたからといって、そのたびに適用されるわけではありません。合計額から差し引けるのは、どの場合でも年間110万円なので注意しましょう。
 

200万円を受け取ると課税される?

贈与税の税率は、基礎控除後の残額によって決まります。200万円をもらうと基礎控除後の金額は90万円となり、この場合の税率は10%です。したがって、「90万円×10%」により、9万円という贈与税が算出されます。
 
つまり、普通に姉が父から200万円を受け取ると課税されるので、贈与税を納めたくない場合は対策が必要です。最もシンプルな対策は、贈与額が基礎控除額を超えないように抑えることです。結婚する年は110万円以下の金額を受け取り、翌年以降も基礎控除の範囲内で支援してもらうということです。
 
ただし、翌年以降の支援は必要に応じて行われることが大事です。定期的に同じ金額を受け取るなど、計画的な贈与は避けなければなりません。合計額を一括でもらったと見なされる可能性があるからです。
 
例えば、4年にわたって50万円ずつ受け取ると、最初から200万円の贈与を計画していたと判断され、課税されてしまうリスクがあります。
 

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300万円まで課税されない制度

上記以外の対策として、「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度」の利用が挙げられます。
 
この制度の期限は令和7年3月31日までとなっており、結婚資金については300万円の贈与まで税金がかかりません。よって、姉が父から非課税で200万円を一括でもらいたいなら、この制度を使うことが得策です。
 
ただし、姉は18歳以上50歳未満で、前年度の所得が1000万円以下でなければなりません。この要件を満たしている場合に限り、「結婚・子育て資金非課税申告書」を金融機関に提出することで非課税になります。
 
なお、結婚資金という名目で受け取っても、結婚関連以外の用途に使った場合は課税されます。結婚関連の費用として認められるのは、結婚式の会場代や衣装代などの婚礼費用、結婚に伴う引っ越しの料金、新居の家賃などです。
 

贈与税の知識を身につけて最善の選択をしよう!

受け取る結婚資金が110万円以下なら贈与税はかかりません。手軽に非課税にしたい場合、とりえずその範囲内でもらい、翌年以降は状況に応じて支援を受けることも1つの手です。
 
また、「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度」を利用すると、300万円まで1度に受け取っても税金がかからなくなります。手続きの手間なども考慮して、自分たちにとって最も利便性がよくてお得な手段を選びましょう。
 

出典

国税庁 財産をもらったとき
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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