更新日: 2023.09.28 その他相続

意外に掛かる! お墓の管理費「長男ですが継ぐ必要は?」

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

意外に掛かる! お墓の管理費「長男ですが継ぐ必要は?」
お墓の管理費は維持や管理のために必要で、数1000円〜数万円と意外にかかることを理解していない人もいることでしょう。
 
お墓の管理費を支払うのは、祭祀(さいし)承継者といって、お墓や仏壇などの「祭祀財産」を受け継ぎ、祖先の祭祀を継ぐ、お墓を継承した人のことです。
 
一般的に長男がお墓を引き継ぐと考える人も多いかもしれませんが、次男や配偶者、または親族以外の他人がお墓を継いでも問題ありません。実際に被相続人の指定、地域ごとの慣習や、家庭裁判所の調停、審判でお墓を引き継ぐ人を長男以外で指定するケースもあります。
 
本記事では、お墓の管理費やお墓を引き継ぐ祭祀承継者について、また管理費を支払えない場合にどうなるのかなどを解説します。
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お墓の管理費はなにに使われる費用?

お墓の管理費とは、お墓を維持・管理してもらうために発生する費用です。お墓の管理者に対して支払い、お墓の清掃や備品の修理・交換、水道光熱費といったメンテナンスに使われます。メンテナンスを定期的に行わなければ、お墓を快適な状態で維持できません。
 
お墓の管理費は、永代使用権を取得した段階で発生し、支払うのは祭祀継承者です。基本的に1年に1回の年払いであるケースが多く、口座引き落としや振込みといった方法で支払います。

 

お墓の管理費の相場

お墓には「公営霊園」「民営霊園」「寺院墓地」などの種類があり、管理費の相場は年間数1000円〜10万円以下と幅があります。
 
公営霊園の場合、地方自治の税金でまかなわれていることもあり、管理費の相場は年間1000円から1万円程度と比較的、低価格で設定されています。
 
民営霊園の管理費の価格相場は、年間5000円から1万5000円程度です。管理費には民営霊園の人件費が含まれているため、公営霊園よりは高い値段が設定されています。
 
寺院墓地に墓を建てる際にはほとんどの場合、「檀家」となって「護持会費」の支払いが必要です。護持会費はお墓の管理費としての意味を持ち、相場は1万円から2万円程度になっています。ただし、歴史ある寺院になると、年間10万円近い護持会費が発生するケースもあるので、事前確認が必須となるでしょう。

 

お墓を引き継ぐ祭祀承継者は長男でなくても良い

お墓を引き継いで管理費の支払いを行う祭祀承継者は、必ずしも長男である必要はありません。事前に被相続人が祭祀承継者をしていれば、その者が最優先でお墓を継ぎます。
 
指定がない場合は、被相続人の居住地の慣習にしたがって決めることが多く、配偶者や長男といった親族が祭祀承継者になるのが一般的といえるでしょう。しかし、話し合いによって親族以外の他人が引き継ぐことも可能です。

 

祭祀承継者が決定しない場合は家庭裁判所の調停や審判にて決定

被相続人が祭祀承継者を指定していない、慣習も不明で祭祀承継者が決まらない場合は、最終手段として家庭裁判所の調停または審判で決定します。審判の前に調停を行い、そこで祭祀承継者が決まらなかったり、合意に至らなかったりしたら審判へ進む流れです。
 
被相続人の生前の生活状況といった事情を確認し、同居状態にあった、介護をしていたなど、密接な関係にあった者が祭祀承継者に指定される可能性が高いです。
 
例えば、被相続人に長男と次男がいて、長男は遠方に住んでいて次男が同居していたというケースもあるでしょう。そのような場合、長男ではなく次男が祭祀承継者に指定されるケースもあり得ます。

 

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お墓の管理費を支払えない場合は強制撤去となる

祭祀承継者が決まらず管理費を支払えなかった場合、一般的に滞納が3年続くとお墓を使用する権利を失って強制撤去となります。霊園や墓地に合祀墓がある場合は、そちらへ移され、他の人の遺骨と一緒に納骨される場合があります。
 
大切な親族を合祀墓に移されるのは避けたいけれど、お墓を継ぎたくない、管理費を支払いたくない、もしくは支払えない場合などは、「墓じまい」をして、墓地の使用権を管理者に返すことも検討してみてください。

 

長男でもお墓を引き継ぐ必要はない

お墓を引き継ぐ祭祀承継者は、被相続人の指定や地域ごとの慣習、家庭裁判所の調停や審判などで決まります。必ずしも長男である必要はありませんが、祭祀承継者に指定されたら、辞退や拒否はできません。
 
祭祀承継者は一般的に1年に1回、お墓の管理費の支払いが必要で、金額は数1000円から10万円以下と、費用が発生します。お墓の種類によってはさらに負担が大きくなるため、可能であれば事前に誰を祭祀承継者とするのか、親族間で話し合っておくとよいでしょう。

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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