更新日: 2023.10.13 贈与

結婚式の資金として親が「200万円」くれました。彼に「贈与税払わなきゃね」と言われましたが本当ですか? 親は非課税だと言っていました

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

結婚式の資金として親が「200万円」くれました。彼に「贈与税払わなきゃね」と言われましたが本当ですか? 親は非課税だと言っていました
結婚するとなると、結婚式や新居への移転などの費用としてまとまったお金が必要です。自分たちだけで工面できず、親などから金銭的な支援を受けることも多いでしょう。しかし通常、家族間であっても個人から基準を超えるお金をもらうと贈与税が発生します。
 
ところが、結婚や子育てのためにもらったお金は所定の条件を満たすと非課税となり、贈与税がかからないのをご存じでしょうか。詳しく見ていきましょう。
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贈与税は110万円以下ならかからない

贈与税とは、個人から贈与により財産を取得したときに発生する税金です。贈与税の税率は決して低くはありませんが、贈与税には110万円の基礎控除があります。そのため、1月1日から12月31日までの1年間で贈与された金額が110万円以下であれば、贈与税はかかりません。
 

通常、200万円贈与を受けたら9万円の贈与税がかかる

通常、例えば親から子に200万円が贈与された場合、110万円を超えるため贈与税が発生します。具体的には、200万円から基礎控除の110万円をマイナスした90万円に、税率の10%をかけた9万円を支払う必要があります。なお、贈与税の税率は基礎控除後の課税価格によって決まり、最も高い税率は55%です。
 

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結婚資金贈与の非課税枠は300万円

通常は110万円を超える贈与に対しては贈与税がかかりますが、結婚資金の贈与については条件を満たすことで300万円まで非課税です。つまり、今回のケースのように200万円の贈与を受けても、条件を満たすと贈与税を負担する必要がなくなります。
 
具体的な条件は、直系尊属の父母・祖父母からの贈与であること、お金を受け取る側の年齢が18歳以上50歳未満で前年度の合計所得が1000万円を超えないことなどです。なお、結婚資金として該当するものは、次のようなものとされています。
 

1.挙式費用、衣装代などの婚礼(結婚披露)費用(婚姻の日の1年前の日以後に支払われるもの)
2.家賃、資金などの新居費用、転居費用(一定の期間内に支払われるもの)

 

子育て資金も合わせて贈与を受けると1000万円まで非課税

条件を満たせば300万円までの結婚資金の贈与に関する贈与税が非課税となるこの制度ですが、実は子育て資金も合わせた非課税制度の一部と言えます。結婚のみならず、妊娠、出産、育児に関する資金を父母・祖父母からもらう時も、条件を満たせば1000万円までが非課税です。
 
そして、1000万円のうち300万円は結婚資金として充当できる金額で、贈与税が発生しないという仕組みです。なお、妊娠、出産、育児に関する費用とは、次のようなものとされています。
 

1.不妊治療・妊婦検診に要する費用
2.分べんなどの費用、産後ケアに要する費用
3.子の医療費、幼稚園・保育所などの保育料(ベビーシッター代を含む)など

 

まとめ

通常は数万円を納付しなければならない贈与に関する贈与税も、制度を活用すれば負担をしなくてもすみます。期限は令和7年3月31日までですが、過去には延長されており、さらに延長となる可能性もあります。制度をよく知り、うまく活用しましょう。
 

出典

国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合

国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

国税庁 父母などから結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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