更新日: 2023.10.20 贈与

祖母が「進学費用に」と300万円渡してくれました。せっかく貯めてくれたお金を税金で減らしたくないのですが、非課税になる場合もあるのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

祖母が「進学費用に」と300万円渡してくれました。せっかく貯めてくれたお金を税金で減らしたくないのですが、非課税になる場合もあるのでしょうか?
祖父母や親子など身内同士であっても、資金援助は贈与に該当するため、原則として贈与税を納める必要があります。しかし、祖母が進学費用として用意してくれたお金を、税金で減らしたくないと思う人もいるでしょう。
 
実は「暦年贈与」「都度贈与」「教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置」などを活用すれば、非課税にすることも可能です。本記事では、贈与税が非課税となるケースを紹介していきます。
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年間110万円以上は贈与税が発生する

個人から個人へ財産を譲り渡した際には、贈与税と呼ばれる税金がかかります。贈与税を納めるのは、財産を受け取った人です。祖父母が孫に対して援助した場合には、孫が贈与税を納めることになります。
 
ただし、贈与額の全額に対して税金がかかるわけではありません。贈与税には、年間110万円の基礎控除額が設けられています。1年間の贈与額から基礎控除額の110万円を引いた額をもとにして、税金を算出していくのです。
 
例えば、母が孫に対して援助をした額が年間300万円の場合は、190万円(300万円-110万円)に対して贈与税がかかることになります。贈与額が年間110万円以下の場合には、贈与税は発生しません。
 

非課税にしたいならば「暦年贈与」や「都度贈与」を検討

贈与税を支払いたくないのであれば、都度贈与(つどぞうよ)や暦年贈与(れきねんぞうよ)を検討してみるのも手です。
 

・都度贈与とは

都度贈与は、文字通り、その都度で贈与を行うことです。必要に応じて生活費や教育費などをその都度贈与する場合には、税金がかかりません。基礎控除額の110万円を超えた場合でも、原則として非課税です。
 
祖母から孫へ渡すお金が「授業料」などであれば教育費に該当します。必要なタイミングでお金を渡すのであれば、贈与税を納めずに済むでしょう。
 

・暦年贈与とは

暦年贈与は、贈与税の基礎控除額を利用した贈与の方法です。祖母から孫へ渡すお金を基礎控除額の110万円以内にすれば、税金を納めなくて済みます。暦年贈与は都度贈与と異なり、譲り受ける財産の使用目的が限定されないため、生活費や教育費以外のお金を渡す場合でも贈与税がかかりません。
 

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教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置

「教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置」を利用する方法もあります。祖父母などの直系尊属から、30歳未満の孫などが贈与を受けた場合に、1500万円以内であれば非課税となる制度です。
 
非課税として認められるのは、入学金、授業料、入園料などの教育資金です。通学定期券代、留学の渡航費などの交通費も非課税の対象となっています。ただし、この方法が利用できるのは、2013年4月1日から2026年3月31日までです。
 
また、受贈者は金融機関で教育資金非課税申告書を提出したうえで、教育資金贈与専用口座を開設して贈与された教育資金を入金し、金融機関の管理のもと資金を使わなければなりません。手続きに少し手間がかかりますので、計画的に準備を進めたほうがよいでしょう。
 

贈与額が年間110万円以下や教育資金であれば非課税!

祖母から孫に対して110万円以上のお金を渡す場合は、原則として贈与税がかかります。
 
ただし、年間贈与額を基礎控除額内に収める「暦年贈与」、もしくは、その都度で教育費を渡す「都度贈与」にすれば、贈与税がかかりません。高額な教育費の援助をするのであれば、教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置も検討してみるとよいでしょう。
 

出典

国税庁 祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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