更新日: 2023.11.06 贈与
親が車を買ってくれると言いますが、贈与税がかかるか心配です。何か節税方法はありますか?
本記事では、親が車を買ってくれる場合、どのような状況で贈与税がかかるのかについて詳しく説明します。贈与税の発生条件や税金の軽減方法も解説しますので、賢く車を譲り受けるための参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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親が車を買ってくれる場合も贈与税の対象になる
親が車を購入してくれる際には、車の金額に応じて贈与税が発生する可能性があるので注意が必要です。贈与税が発生する条件を事前に理解しておくことで、計画的な贈与を実行でき、具体的な資金計画を立てることができます。
本項では、親が車を購入してくれる場合の贈与税が発生する状況と、その計算方法について詳しく見ていきましょう。
車の金額によって贈与税は発生しない
親が買ってくれる車の金額によって、贈与税が発生するかは変わります。なぜなら、親から贈与によって財産を受け取る場合、年間110万円の基礎控除が適用されるからです。そのため、親から受け取る車の価格が110万円以下の場合、贈与税は課されません(その年に他の贈与が行われない場合)。
しかし、車の価格が110万円を超える場合、基礎控除を上回ることになり、贈与税が発生することとなります。
贈与税の計算方法
贈与税の税率は、「一般贈与財産用(一般税率)」「特例贈与財産用(特例税率)」の2つに分けられます。特例税率は、直系尊属(父母や祖父母)から20歳以上の子どもや孫へ贈与する場合に適用され、それ以外は一般税率が適用されます。
一般税率と特例税率は、図表1のとおりです。
【図表1】
一般贈与財産用(一般税率) | ||
---|---|---|
基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
200万円以下 | 10% | – |
300万円以下 | 15% | 10万円 |
400万円以下 | 20% | 25万円 |
600万円以下 | 30% | 65万円 |
1000万円以下 | 40% | 125万円 |
1500万円以下 | 45% | 175万円 |
3000万円以下 | 50% | 250万円 |
3000万円超 | 55% | 400万円 |
※国税庁の「贈与税の計算と税率(暦年課税)」より筆者が作成
特例贈与財産用(特例税率) | ||
---|---|---|
基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
200万円以下 | 10% | – |
400万円以下 | 15% | 10万円 |
600万円以下 | 20% | 30万円 |
1000万円以下 | 30% | 90万円 |
1500万円以下 | 40% | 190万円 |
3000万円以下 | 45% | 265万円 |
4500万円以下 | 50% | 415万円 |
4500万円超 | 55% | 640万円 |
※国税庁の「贈与税の計算と税率(暦年課税)」より筆者が作成
贈与税を算出する計算式は、「(財産贈与額-基礎控除110万円)×税率-控除額」です。
例えば、20歳未満の方が親から300万円の車を贈与された場合、贈与税は「(300万円-110万円)×10%=19万円」となります。
贈与税を抑えるための3つのポイント
親が車を購入してくれる場合に、贈与税を抑えるためのポイントとして、親名義で購入した車を借りる、一定期間後に譲ってもらう、非課税枠内で購入資金を援助してもらうといった方法があります。
贈与税を抑えるためのポイントを事前に理解しておくことで、税負担を軽減することが可能です。本項では、贈与税を抑えるための3つのポイントについて紹介します。
親名義のまま車を借りて使用する
親名義で購入した車を借りて利用する場合は、贈与とはみなされないため、贈与税はかかりません。車は自身の所有物にはなりませんが、贈与税の負担を回避できます。また、親名義で車を購入し、親がローンを返済しながら、子どもが車を利用する方法もあります。
一定期間後に譲ってもらう
車の価格が高い場合は、購入後しばらくの間は親に利用してもらい、価値が下がった段階で譲ってもらいましょう。そうすることで、贈与税額が低くなります。もしくは、車の価値が下がって基礎控除の範囲内に収まる場合、贈与税は発生しません。
非課税枠内で購入資金を援助してもらう
基礎控除110万円の枠内で、親からの援助を受けて購入資金の一部を補う方法も考えられます。例えば、親が100万円を提供し、自身で100万円を実費で用意できる場合、贈与税がかからずに、合計200万円の車を購入できます。お金に余裕がある場合には、このような方法も検討可能です。
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親が車を買ってくれる前に贈与税についても話し合おう!
親が車を購入してくれる際、もし価格が110万円を超える場合には、基礎控除を上回るため贈与税が発生します(他に贈与財産がない場合)。贈与税の負担を軽減したい場合は、親名義のまま車を借りる、一定期間後に譲ってもらうなどの方法があります。
親が車を購入してくれる場合は、事前に贈与税について話し合い、お互いが納得する方法を選択することが重要です。
出典
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
※2023/11/6 記事を一部修正いたしました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー