更新日: 2023.11.14 贈与

子ども名義の口座で貯めたお金を子どもに渡したい!これって「贈与税」の対象になるの?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

子ども名義の口座で貯めたお金を子どもに渡したい!これって「贈与税」の対象になるの?
子どもの将来のために、子ども名義で貯金をしている方もいらっしゃるでしょう。その場合、子どもがある程度、成長したらその貯金を渡そうとお考えではないでしょうか。
 
しかし、子ども名義で貯金した場合でも、お金を渡すときの総額や、使用している口座の状況によっては、贈与税の対象になる可能性があります。贈与税の申告が必要であるにもかかわらず、知らないまま放置していると、さらに税金が課される可能性もあるため注意が必要です。
 
今回は、子どもの名義で貯めた預貯金を渡した場合に、贈与税の対象になるケースについて解説します。
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贈与税とは?

贈与税とは、その年の1月1日~12月31日の間に受けとった財産の合計額に対して課される税金です。ただし、基礎控除として110万円が引かれるため、110万円を超えない金額であれば、贈与税はかかりません。
 
また、贈与税は成年、未成年にかかわらず課せられる税金です。子どもが成年か未成年かによって、その税率が変わります。
 
贈与税がかかる場合とかからない場合、また子どもの年齢や金額などさまざまな状況によって、おさめる金額や必要性は異なります。今回は、未成年の子どもに親がお金を渡すケースを解説します。
 

子ども名義で貯めたお金も贈与税の対象となるのか?

子ども名義で貯めたお金を子どもに渡すと、贈与税の対象になるケースとならないケースがあります。贈与税の対象であるにもかかわらず申告をしていない場合、のちに税務署から延滞税を加えた金額を納めるよう求められ、受け取った子どもが負担することになるため注意が必要です。
 

贈与税の対象になるケース

子どもに渡した時点で、金額が110万円を超えていた場合は贈与税の対象になります。
 
ただし、子ども名義で作られた口座の存在を、子ども自身が知っており、かつ、子ども自身で管理できる状態であった場合は贈与税がかかりません。
 
一方で、貯まったお金を渡すまで子どもが口座の存在を知らなかった場合は、贈与税の対象となるため注意が必要です。贈与は、贈った側と贈られた側の両方が認識していたかどうかが問われます。
 
子ども名義の口座に入っているお金を渡す場合に、子どもが「お金を贈られた」と認識したときが、贈与が成立するタイミングとなるため、子どもが受けとった時点の金額が、贈与税の対象となります。
 

110万円を超えても贈与税の対象にならないケース

お金を渡した目的によっては、贈与税の対象にならない場合があります。贈与税の対象にならないケースはおもに以下の通りです。
 

・生活費や教育費として必要な額を子どもが管理する口座へ仕送りとして入金する
・教育資金としてあらかじめ「贈与税非課税措置」を利用した1500万円以内のお金

 
なお、教育資金における「贈与税非課税措置」は、30歳未満の子どもや孫が、祖父母や両親などから教育資金としてお金を受けとった場合に適用されます(令和8年3月31日までの間の特例/令和5年11月時点)。
 
制度を利用するには、銀行と契約して「教育資金用」の口座を開き「教育資金非課税申告書」を提出します。また、口座からお金を使用した際の明細や領収書を、金融機関に提出する必要があります。
 

贈与税の対象とならなくても注意すべきポイント

親が生活費として、または仕送りとして子どもへ贈った場合であっても、受けとった子どもが、株や投資など生活に関係ない内容で使用すれば、贈与税の対象となります。
 
教育資金における「贈与税非課税措置」も同様で、教育資金のつもりで親が子どもの口座に振り込んでいたとしても、子どもが教育と関係のないことに使用した場合は、使用した分に対して贈与税がかかります。
 
また、30歳に達して教育資金口座の契約が終了した際、口座に残っている残高も贈与税の対象になります。例えば、教育資金口座1500万円のうち300万円を宝石購入に使い、契約終了時に100万円が残っていた場合は、宝石購入費300万円と残高100万円を合わせた400万円に対して贈与税が課されます。
 

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なるべく税金の負担を軽くしたいなら仕送りなどを活用しよう

子ども名義の口座があることを子どもに伝えずに貯金をし、110万円以上の額をまとめて渡すと贈与税の対象です。贈与税の対象外となるためには、子ども自身の口座に仕送りとして送ったり、教育資金における「贈与税非課税措置」を利用したりしましょう。
 
ただし、教育費や生活費として贈ったお金を、子どもが娯楽や株など教育や生活の目的以外で使用した場合は贈与税の対象となります。意図せず贈与税の対象となってしまうことを防ぐためにも、お金は必ず目的通りの使い方をするよう、子どもに伝えておきましょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
文部科学省 【制度概要】教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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