更新日: 2024.01.19 相続税

祖父母の家を掃除中、タンスから「200万円分」の旧札を見つけました。銀行に預けず、少しずつ使えば「税務署」などにはバレませんか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

祖父母の家を掃除中、タンスから「200万円分」の旧札を見つけました。銀行に預けず、少しずつ使えば「税務署」などにはバレませんか?
家計の残り分を少しずつ貯めていたり、いざというときの備えとして自宅に現金を保管していたりする人も多いのではないでしょうか。
 
数十万円程度であれば特に大きな問題にはならないかもしれませんが、例えば、親や祖父母の自宅のタンスなどを整理していたら旧札がたくさん出てきて、合計200万円分あるようなケースが発生すると、どう対応すればいいのか困惑するかもしれません。
 
本記事では、こうしたケースが発生した場合、そもそも旧札はいまでも使えるのか、使える場合は銀行に預けずに少しずつ使えば税務署にバレる心配はないのかを解説します。

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旧札はいまでも使用できる?

現在主に流通していない旧札がたくさん出てきたら驚くと同時に、以下のような疑問や不安が出てくるかもしれません。

・買い物などで旧札を出すと受け取ってもらえるのか
・新札に交換できるのか
・使用の可否に限らずそのまま保管していて大丈夫なのか

結論からいえば旧札も新札に交換することができ、現在発行されていないものも含めて、2023年11月時点で22種類の紙幣が有効です。2007年4月に発行停止となった夏目漱石の旧千円札、新渡戸稲造の旧五千円札などは、いまだ保有している人も多いかもしれません。
 
他にも1986年に発行停止となった聖徳太子の各紙幣は引き続き有効ではあるものの、特に若年層を中心に「存在を知らない」ケースも多く、支払い時に提示すると怪しまれるかもしれません。このように実際に使用する際に不便となる紙幣は、日本銀行の本支店で現在発行されている紙幣と交換できます。
 

タンス預金は申告が必要

基本的に旧札も使えるため200万円分出てきた場合は「有効な財産」として相続税の対象となります。国税庁が公表している「相続税のあらまし」で、「相続税が課される財産」は(1)土地、(2)建物、(3)株式や公社債などの有価証券、(4)預貯金、(5)現金などのほか、金銭に見積もることができる全ての財産」とされており、実質的に全ての財産が対象です。
 
今回見つかった200万円相当の旧札も、祖父母が生前所有していた財産と考えられるため、タンス預金も相続財産として申告をしなければなりません。
 
相続税は「相続の開始があったことを知った日」の翌日から10ヶ月目の日までに申告書の提出と必要に応じて納税を済ませなければなりません。今回は旧札が出てきた時点から10ヶ月目の日が経過するまでに手続きする必要があります。
 

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タンス預金は少しずつ使えばバレない?

預貯金と異なり金融機関に記録が残りにくいため、資産状況を正確に把握することは容易ではなく、申告しなくても少しずつ使えばバレないのではないかと思われるかもしれません。
 
ただしタンス預金は今すぐでなくても将来的に税務署にバレる可能性があります。税務当局は一般的にKSKシステムと呼ばれる国税総合管理システムを導入して税関係業務の効率化を図っています。この中には確定申告や年末調整などの記録はもちろん「私たちのお金のやりとりに関する情報」がすべて詰め込まれているといっても過言ではありません。
 
これらのデータから個人や法人の金融財産の目安を計算し、おおまかな収入や預貯金と比べて明らかに支出が多いような場合は税務署から説明を求められることもあります。高額な買い物はせず少しずつ使えば問題ないと考える人もいますが、絶対にバレない保証はどこにもありません。
 
バレる・バレないは関係なく、財産を取得した場合は具体的な金額を計算した上で申告や納税手続きを行いましょう。
 

まとめ

本記事では祖父母の家から旧札が200万円分出てきた場合、そもそも有効な財産として使えるのか、銀行に預けずに少しずつ使えば税務署にバレないのかを解説しました。
 
原則旧札も有効な紙幣として使えるため、取得した場合は相続税の課税対象となります。タンス預金で金融機関に預けず資金の移動も全く行っていないから放置しても大丈夫と考えるのではなく、相続した財産としてしっかり申告、納税しましょう。
 

出典

日本銀行 Qこれまでに発行されたお札のうち、現在使えるお札はどれですか? 古いお札を持っていますが、現在も使えますか?
国税庁 相続税のあらまし
国税庁 国税関係業務の業務・システム最適化計画
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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