更新日: 2023.11.28 贈与

妻へ1年分の生活費として「400万円」をまとめて渡そうと思います。家賃や光熱費などのためですが、こういった使いみちでも税金はかかるのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

妻へ1年分の生活費として「400万円」をまとめて渡そうと思います。家賃や光熱費などのためですが、こういった使いみちでも税金はかかるのでしょうか?
勤務先から支払われた給与から生活に必要な分のお金を引き出して、毎月ごとに配偶者へ渡す家庭が一般的ですが、1年分の生活費としてまとめて渡そうとする場合に税金はかかるのでしょうか。本記事で解説します。
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生活に必要なお金なら、税金はかからない?

結論から先に言うと生活で必要な費用を渡し、その都度使われた場合には贈与税などの税金はかかりません。国税庁によると、生活に必要なお金(日常生活費用や子どもの学費など)を家族に渡すことには贈与税がかからないとされています(夫婦間で、生活費の範囲を超えた高額なお金の移動は贈与税の対象となる可能性があります)。
 
今回の400万円という金額は、総務省統計局「家計調査報告」2023年9月分での勤労者世帯(二人以上の世帯)の1世帯当たり実収入の平均月額48万7499円・消費支出の平均月額28万2969円をもとに、年間で予想される必要な支出金額の例として試算しています。
 

贈与税の対象になるもの・ならないものの違いは?

それでは、家族に渡すお金で贈与税の対象になるもの・ならないものには何があるのでしょうか。主に、以下のようなことが挙げられます。
 

<贈与税の対象になるもの>

(1)生活費ではなく、高額なもの(自動車・有価証券・貴金属など)を贈った場合
(2)年間で贈った合計金額が贈与税の基礎控除額110万円を超えた金額
(3)生命保険の契約者(保険料を支払っていた人)と受取人が異なっていて、受取人が生命保険金を受け取った場合(病気・けがによる入院給付金などは対象外です)

<贈与税の対象にならないもの>

(1)生活に必要なお金を渡し、その都度使われた場合
(2)年間で贈った合計金額が、贈与税の基礎控除額110万円以下の場合
(3)婚姻期間20年以上の夫婦間で、住むための住宅または住宅購入資金の贈与があったとき(申告を行えば、贈与税基礎控除110万円のほかに最高2000万円の配偶者控除が受けられます)

 

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余ったお金を貯めておくと、デメリットはあるの?

もらったお金を生活に使い、余ったお金をへそくりやタンス預金として自宅内に貯めておくと、将来的にデメリットとなる可能性があります。冠婚葬祭など何かあった際にすぐ使えるように、ある程度のお金を用意しておくことは良いのですが、高額なお金を貯めておくと紛失や盗難の危険性が高まります。
 
自宅のリフォームや自動車購入などまとまったお金が必要なときに、へそくりやタンス預金から出すと「このお金はどこから出したものですか」と、税務署の調査対象になる可能性が出てきます。
 

まとめ

まとまったお金を配偶者に渡すとき、日常生活に必要不可決な費用であれば税金はかかりません。しかし、夫婦間での高額なお金の移動や、生活費以外の用途に使うと贈与税の課税対象となる可能性が出てきます。
 
必要な金額をその都度渡し、いつ渡した・もらった・どのように使ったかを記録しておくことで、税務署の調査が入ったときにお金の流れを証明しやすいです。家計簿や入出金明細を記帳した銀行通帳、領収書などを保管しておくと良いでしょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査(二人以上の世帯)2023年(令和5年)9月分
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4417 贈与税の対象になる生命保険金
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 家族と税
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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