更新日: 2024.01.24 贈与
自分が亡くなった時にマンションを孫に「譲りたい」と思っています。贈与税はかかるのでしょうか?
本記事では、祖父母が亡くなった後と亡くなる前に譲り渡す際にどのような税金が発生するかを紹介します。生前と亡くなった後では、税率や控除額が変わっている可能性もあるので、違いをしっかり理解してどちらがお得かを検討しましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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亡くなった後にマンションを譲る場合は相続税がかかる
祖父母が亡くなった後にマンションを孫に譲る場合は、贈与税ではなく相続税が発生します。相続税が課されるのは祖父母が亡くなった時点において所有していた財産に対してです。
対象となる財産には、土地、建物、株式や社債などの有価証券、預貯金、現金などがあります。また、金銭的に見積もることが可能なすべての財産が相続税の課税対象となります。そのため、マンションも相続税の課税対象です。
相続税の税率の金額区分は以下のとおりです。
表1
法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1000万円以下 | 10% | - |
1000万円超~3000万円以下 | 15% | 50万円 |
3000万円超~5000万円以下 | 20% | 200万円 |
5000万円超~1億円以下 | 30% | 700万円 |
1億円超~2億円以下 | 40% | 1700万円 |
2億円超~3億円以下 | 45% | 2700万円 |
3億円超~6億円以下 | 50% | 4200万円 |
6億円超 | 55% | 7200万円 |
※国税庁「No4155 相続税の税率」を基に筆者作成
ただし、孫は祖父母の2親等にあたるため、相続税額の2割が加算された相続税額となる点に注意が必要です。
相続税の申告と納税について
財産を取得した人の課税価格の合計額が、遺産に係る基礎控除額を超える場合、相続税の申告が必要です。相続税の申告が必要な場合、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月目の日までに、被相続人の住所地を管轄する税務署に相続税の申告書を提出しましょう。また、納付税額が算出される場合はあわせて納付しなければなりません。
※出典:国税庁「相続税のあらまし」
亡くなる前にマンションを譲る場合は贈与税がかかる
祖父母自身が亡くなる前にマンションを孫に譲る場合は、贈与税が発生します。贈与税は個人から財産を受け取った時に発生する税金です。また、贈与により土地や建物を受け取った際は地方税である不動産取得税もかかります。不動産取得税額は「不動産の評価額×税率(4%)」により算出可能です。
贈与税は1年間に受け取った財産合計額から基礎控除の110万円を差し引いた金額に対して課税されます。祖父母から18歳以上の孫への贈与の際に用いられる特例贈与財産用の金額区分は以下のとおりです。
表2
課税価格(基礎控除後) | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
200万円以下 | 10% | - |
400万円以下 | 15% | 10万円 |
600万円以下 | 20% | 30万円 |
1000万円以下 | 30% | 90万円 |
1500万円以下 | 40% | 190万円 |
3000万円以下 | 45% | 265万円 |
4500万円以下 | 50% | 415万円 |
4500万円超 | 55% | 640万円 |
※国税庁「No4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」を基に筆者作成
相続税と比較すると税率がかなり大きいことが分かります。もし祖父母から孫へマンションを譲ろうと考えているときは、生前贈与だと贈与税の負担が大きいことを視野に入れておきましょう。
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相続には相続税・生前贈与には贈与税が発生する
祖父母から孫へマンションを譲りたいと考えた時、主に二通りの方法があります。一つ目は亡くなった後に譲り渡す相続、二つ目は祖父母自身が生きているうちに譲り渡す生前贈与です。相続には相続税が発生し、生前贈与には贈与税が発生します。どちらにせよ課税対象になってしまうと理解しておくことが大切です。
また、税率を比べてみると贈与税の方が低い金額から課税対象となる上に、税率の負担も大きいことが分かります。そのため、課税負担を減らすためには祖父母から孫へ財産を譲り渡す際は生きているうちに譲っておくか、亡くなった後に相続するかを事前に話し合っておくことをおすすめします。
出典
国税庁
相続税のあらまし
No.4155 相続税の税率
No.4157 相続税額の2割加算
財産をもらったとき
No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
総務省 地方税制度|不動産取得税
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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