更新日: 2024.01.24 遺言書

エンディングノートは最期の贈り物! どんなことを書けばいい?

エンディングノートは最期の贈り物! どんなことを書けばいい?
ここ数年、筆者は「エンディングノート」の良さを再認識する場面がありました。ただ、「エンディングノート」は、その言葉自体は世間に広く認知されるようになりましたが、まだまだ活用できているとまでは言えません。そこで今回は、エンディングノートの大切さと活用方法について、お話しします。
秋口千佳

執筆者:秋口千佳(あきぐちちか)

CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

エンディングノートは「手書き派」? 「入力派」?

エンディングノートは、手書きでもデータでも残すことができる時代になりました。当初は、手書きのものだけでしたが、現在はデータとして残せるエンディングノートもあるようです。
 
「あるようです」と書いたのは、エンディングノートは「手書き」だからこそ、手書きならではの味があるものなので、入力するというのは、少し違うように感じるためです。
 
なぜ、そこまで言うのかというと、「手書き」=「作者の字」ということであり、エンディングノートを見た人にとっては、その書いた人の字を懐かしむことができるからです。
 
例えば、書いた人が親であれば、親の字を懐かしむことができます。親の字は、小さな頃から色々な場面で見ていて、その字を見ると親を思い出すことでしょう。「字」1つとっても、思い出になるものです。
 
しかしながら、データとして残せるエンディングノートにもメリットはあります。気軽に入力するだけでエンディングノートが完成するため、「手書きで作成するのはハードルが高いな」と感じている人にとっては、まずはデータの入力から始めてみるのも1つです。
 

エンディングノートの必要性を再認識した理由

筆者がエンディングノートの必要性を再認識できたのは、友人の一言でした。「エンディングノートって書きたいことがいっぱい書ける。そしてこれをこのまま渡せるなんて、便利。」
 
ある日、その友人から、「エンディングノートが至急欲しい。」と連絡がありました。ただ、筆者はそのとき、「至急」の意味が飲み込めませんでした。そのため共通の友人に尋ねると、余命わずかと宣告されたとのことでした。
 
頭が真っ白になりつつも、急いでエンディングノートを送り、書き方等も伝えたところ、友人は無事に書き終えたようで、そのときに前述した一言をもらいました。
 
市販のエンディングノートであれ、無料でダウンロードできるエンディングノートであれ、人は最期に伝えたい思いをたくさん持っています。そのため、何かに遺すことは大切です。エンディングノートの必要性を再認識した瞬間でした。
 

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エンディングノートに何を書けば良いの?

筆者は、たびたび「エンディングノートって分厚くて書くことが多すぎて途中で止めてしまう。」と聞きます。そのため、そのような人には、「書きたい所だけを書いたらOKです。」と伝えています。つまり、エンディングノートには「書かなければいけないこと」はありません。
 
極論になりますが、「みんなありがとう。」と書くだけで立派なエンディングノートです。とは言っても、最低限書いておいて欲しいことはあります。
 

(1) 氏名
(2) 生年月日
(3) 万一のときに連絡して欲しい人のリスト(氏名・住所・電話番号等)
(4) 所有している不動産や資産のリスト
(5) 使用している金融機関のリスト(ネットバンクの場合はIDやパスワードを含む)
(6) 使用しているSNSのリスト(IDやパスワードを含む)

 
書き上げるとキリがないのですが、その他は書く本人がエンディングノートを渡す人に何を伝えたいかを考えながら、枠にとらわれることなく書けば問題ありません。そのため、分厚いエンディングノートを購入する必要もなく、ノート1冊あれば充分です。
 

エンディングノートを使って後悔なく

ここまで読んだ人は、エンディングノートは「亡くなる直前に書くものなのだ」と感じたかもしれませんが、それは違います。エンディングノートは、思いついたときが書きどきです。そしてエンディングノートを書くことは楽しいです。
 
エンディングノートを書いていると、自分自身の知らなかった思いを知ることができます。
 

〇「うっとうしいと思っていた配偶者だけど、やっぱり思い出のほとんどが配偶者のことだ」
〇「そうか、パートナーと旅行に行きたいんだ」
〇「子どもともっと色々話がしたいんだ」

 
これに気づき、行動に移すことで、できる限り後悔のない人生を過ごして欲しいです。エンディングノートは、後悔のない人生を歩むためのバイブルなのです。
 
執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

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