更新日: 2024.02.09 その他相続

親族は仲が良いので「遺産争い」なんて起きない気がします。そんなに心配すべきことなのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

親族は仲が良いので「遺産争い」なんて起きない気がします。そんなに心配すべきことなのでしょうか?
「親族仲が良いから遺産争いとは無縁だと思うけど、少しは心配したほうがいいの?」といった不安を持つ人もいるでしょう。今は親族仲が良くても、将来的に遺産争いが起きてしまう可能性はあります。
 
本記事では、遺産争いが起きるトラブル内容について解説します。また、対処法についても紹介しますので、遺産争いが心配な人は参考にしてください。
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遺産争いの件数

親族仲が良いから遺産争いとは縁が遠いと感じる人もいます。しかし、裁判所の「令和4年 司法統計」によると、遺産分割等の事件数は、家事調停事件の令和4年の新受事件数12万3760件中11.6%で、1万4356件です。年間1万4356件とは家庭裁判所で取り扱われた事件のみでの件数であり、潜在的なトラブルの数はさらに多いといえます。
 
また、株式会社アシロが運営する「ベンナビ相続」が2023年に行った「相続トラブル調査」によると、遺産争いをしたことがある人は、相続経験者中23%との結果です。約5人に1人が相続トラブルを経験しているため、親族仲が良いから大丈夫だと思っても安心できません。
 

遺産争いが起きるポイント

遺産争いが起きるのは、どのような内容・相手なのでしょうか。遺産を相続する際でもめやすいのは「遺産を」「誰が」「どれくらいの割合で」相続するかを話し合う段階です。
 
被相続人の生前に面倒を見たか、これまで交流のなかった親戚が権利を主張してきたかなどで、遺産争いが生まれる傾向にあります。遺産争いの内容や争いの起きるポイントを知っておくことで、事前に対処するための準備をしましょう。
 

相続トラブル

株式会社アシロが運営する「ベンナビ相続」の同調査によると、遺産争いにおけるもっとも多い相続トラブルは「遺産分割」で約56%でした(複数回答)。遺産分割とは、遺産をどのように分けるかという内容です。
 
そのほかのトラブルとして多いものは「遺留分」で約33%、「寄与分」で約20%と続きます。遺留分や寄与分といった自分の取り分を主張しあうケースが多いと分かりました。
 

トラブル相手

相続の際にトラブルになった相手としてもっとも多かったのは、「自分(相続人)の兄弟」で約51%でした。次いで多かったのは、「被相続人の兄弟や甥姪」で約28%、「被相続人の親」で約21%です。
 
もともと仲が良かったとしても、いざ相続となるとトラブルが起きてしまうケースは見られます。
 

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遺産争いをしないための対処法

親族仲が良いにもかかわらず、遺産争いが起きてしまうことはありえます。しかし、遺産争いをすると時間や労力がかかる上、親族関係も悪化してしまうなどして良いことはないでしょう。
 
本項では、遺産争いでもめ事が多いケースおよび、対処法について紹介します。「自分たちは大丈夫」と思わずに、できる対処はしておきましょう。
 

生前に確認する

被相続人が存命のうちに、遺産相続について確認しておきましょう。チェックしておくと良い項目は主に以下の4点です。

●誰が法定相続人であるか
●法定相続分がどれくらいか
●相続税の負担はあるか
●不動産の分割方法

被相続人の死後、想定しなかった法定相続人が登場してもめるというケースもあります。法定相続分についても確認しておきましょう。法定相続分とは、遺産の取得割合です。法定相続人や法定相続分については民法で定められているため、あらかじめ知ることができます。
 
相続税がいくらになるかも知っておきましょう。そして、不動産を相続する場合どのように分割するかも話し合っておくと、トラブルを軽減できます。
 

財産目録を作成し遺産を明確にする

財産目録とは、資産などを明瞭にしたものです。財産目録を作ることで遺産が明確になり、「ほかにも遺産を隠しているのでは?」といった疑心暗鬼を生まずに済みます。
 

遺産争いをしないために事前に話し合っておこう

親族仲がよくても、遺産争いが起きることはあります。相続人同士でコミュニケーションが不足していたり、疑心暗鬼になったりすることがもめる原因になりえるでしょう。
 
遺産の扱いや分割について、被相続人を含めて日頃から確認し合い、遺産争いのトラブルをできる限りおさえましょう。
 

出典

裁判所 司法統計
国税庁 No.4132 相続人の範囲と法定相続分
国税庁 No.4155 相続税の税率
株式会社アシロ 相続トラブル調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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