更新日: 2024.02.09 贈与
初節句の孫へ祝い金「300万円」。お祝いだから贈与税は関係ない?
実際はどう取り扱われるのでしょうか。解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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自分以外の人にお金をあげると贈与税がかかる
自分以外の人にお金(財産)をあげる行為を「贈与」といい、贈与したお金の金額に応じて贈与税がかかります。
贈与税の計算は贈与の都度ではなく、暦年(その年の1月1日から12月31日までの1年間)の累計で行われ、翌年の2月1日から3月15日までに贈与税申告を行う流れとなります。よって、2024年3月3日に300万円の贈与が行われた場合、2024年中に行われたほかの贈与と合計して、2025年2月1日から3月15日までに贈与税申告を行います。
なお、贈与税の納税義務者はお金をもらった人になるので、本記事の場合では「孫」が申告しなければなりません。ただ、当然ながら1歳前後の子に申告書の作成ができるわけはありませんので、親や祖父母が代理で行うことになるでしょう。
税金には「未成年だから免除」というルールはありません。たとえ生まれたての赤ちゃんであっても、贈与を受けたのであれば贈与税申告が必要です。
ただし年110万円までは贈与税非課税
ただ、人から1万円もらったからといって、いちいち贈与税申告させられていたらキリがありませんよね。税務署も大変です。そこで贈与税には基礎控除が「110万円」設けられており、贈与金額から差し引くことができるようになっています。つまり、年間の贈与が110万円まであれば贈与税はかかりません。贈与税申告も不要です。
そもそも贈与税がかからない財産がある
では、初節句のお祝い金300万円に対しては、110万円を差し引いた190万円に贈与税がかかるということなのでしょうか。少し違います。贈与税には贈与税がかからない財産がいくつか設けられており、今回のケースでは以下に当てはまらないのかを「確認する必要」があります。もし当てはまるのであれば、110万円に関係なく全額が非課税となります。
個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物または見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの
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【結論】初節句の祝い金300万円に贈与税はかかるのか
初節句の祝い金は、上記の「祝物」に該当すると考えられます。しかし、その後の「社会通念上相当と認められるもの」に引っかかる可能性はあります。社会通念上とは、社会一般に通用している常識や見解のことをいいます。本記事のケースに当てはめて解釈すると、「ほかの人が初節句の祝い金として孫に渡している平均額」という感じでしょう。
300万円という金額は、初節句の祝い金としては明らかに社会通念上の相場を逸脱していると考えられるため、300万円から社会通念上の相場を差し引いた残額は贈与税の対象になります。ここで用いられる「社会通念上の相場」は、税務署が個々の状況に応じて算定することから明言はできません。多くても数十万円といったところではないでしょうか。
まとめ
初節句の孫への祝い金は、基本的に贈与税のかからない財産ではありますが、300万円ともなると話は別になります。社会通念上の相場を逸脱した部分の金額については、贈与税の対象となる可能性が高いので注意しましょう。
出典
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー