<相続税対策>不良資産は処分を。時価より高い評価を避ける
配信日: 2017.05.30 更新日: 2020.11.11
地方の実家、利用頻度の低い別荘は処分を
不良資産と呼ばれるものは、「売りにくい」「使いにくい」「税負担が大きい」といった要件をもつものです。地方に住んでいた親を引き取ったが実家はそのまま残してある、親がバブル期に購入した利用頻度の低い別荘やリゾートマンションがある、先祖から受け継いだ田畑や山林が放置されている、といいたケースが該当します。
これらの不動産を放置しておくと、典型的な不良資産となる可能性があります。親の立場からすると大切な思い出があり、手放すことには消極的になります。しかし長く放置するほど、あと始末が大変です。今後、人口が増えこうした不動産へのニーズが高まることは予想できません。
このような不動産でも、相続税や固定資産税などの税金は必ずかかってきます。維持・管理するための費用も馬鹿になりません。相続時の評価が、時価よりも高くなることもあるため、典型的な不良資産となっていきます。
使い勝手が悪いことは、他の人にとっても同じことですから、思うような価格で売却することも困難です。空き家の管理を怠り、そのまま放置すると、行政サイドから思わぬ税金をかけられることも考えられます。相続をして保持し続けるより、買い手を探し安い価格でも処分するのがよいと思われます。
都会にもある相続不適の不動産
地方に所有する不動産だけでなく、都会に注意したい不動産もあります。親が長い間住んでいるマンションや戸建て住宅は、築年数も相当経過しています。自分が育ったころは、新しい建物であっても、現在では売りにくい物件となりつつあります。
建築時には建築基準を満たしていたマンションでも、耐震構造問題などで改築が求められる建物は多いはずです。現在は親が住むことができても、相続後に改築や全面建て替え等の問題が発生しかねなません。親の同意が必要ですが、可能であれば相続前に処分をしておきたい資産です。
売買できるかです。親がかなりの値段で買ったとしても、売ろうと思うときに思い通りには売れません。こうした土地にも、想像以上の固定資産税がかかっているのが現状です。
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不良資産化しやすい不動産は処分を
また借地権がらみで自由に処分できない土地や、隣地との境界トラブルがある土地となると、売ること自体が難しいケースもあります。とくに親と離れた地域に住んでいる子からみれば、親がこうした不動産を持ち続けていることを、相続人となる子が、十分に知らないことが多く問題です。
親の家まで出かける機会はあっても、詳しく確認していないと後で困ります。「早く売っておけば」と後悔しないようにしたいものです。不良資産であっても、予想外の相続税や固定資産税がかかります。これこそが大きな問題です。親の保有する資産内容を、できるだけ正確に把握すべきです。相続は金融資産などが手に入ると喜ぶ前に、相続したくない資産をなるべく減らしておくことが大切です。