更新日: 2024.03.22 その他相続

相続したら“負不動産”だった……そうならないために相続した不動産の行方を知る 前編

相続したら“負不動産”だった……そうならないために相続した不動産の行方を知る 前編
先祖代々受け継がれてきた不動産が“負動産”と揶揄(やゆ)される事態が起きています。4月から始まる名義変更の義務化にも注目し、名義変更後の不動産の行方を考えます。
宮﨑真紀子

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

4月から相続登記は義務化

はじめに、相続登記義務化の改正をおさらいします。不動産に関して、これまでは相続登記の義務がありませんでした。「父母が亡くなり実家を売却しようと調べてみたら、祖父の名義のままだった」ということも珍しくなかったのです。
 
相続登記をしなくても固定資産税の納付書は届きますので、税金を納めることで“登記も済んでいるのでは”と誤解していることもあります。ですが、遺産分割をしないまま相続が繰り返されると、土地共有者がねずみ算式に増加してしまいます。
 
かつては親戚づきあいをしていた人同士も、家系図の枝分かれが進むと“会ったことがない”どころか“存在も知らない”つまり、当該不動産の所有権を有する人同士も連絡がとれない状況になってしまいます。その結果、全国で所有者不明土地が増加し問題が顕著になっています。
 
この現状の打開策として、「所有者を特定できるように相続登記を義務化しよう」というのが4月1日からの改正です。これは4月1日より前に相続した不動産も、相続登記がされていない場合は対象になりますので注意が必要です。改正の内容は、以下のとおりです。
 

■相続人は不動産(土地・建物)を相続で取得した事実を知った日から3年以内に相続登記をしなければなりません。
■正当な理由がないのに相続登記をしない場合は、10万円以下の過料が科される場合があります。
■早期に遺産分割が決まらない場合は、相続人申告登記が必要です。

 
令和6年4月1日以前に相続した不動産は、3年間の猶予期間がありますので、令和9年3月31日までが期限です。
(出典:法務省民事局「備えて安心!令和6年4月1日から相続登記が義務化されます!」)
 

相続登記の流れ

相続登記の申請から完了まで、どのような流れなのか確認します。
 

*遺産分割協議による相続登記の申請の場合*

<Step1> 戸籍関係書類の取得
      相続開始の証明と法定相続人の特定
<Step2> 遺産分割協議・協議書の作成
      協議・話し合いによる土地・建物の所有者の確定とその書面化
<Step3> 登記申請書の作成
      法務局に提出書類の作成
<Step4> 登記申請書の提出
      法務局へ提出
<Step5> 登記完了
      法務局から登記完了証・登記識別情報通知の交付

 
各ステップの詳細、ならびに法定相続分(法律で定められた割合)による相続登記や遺言書のある場合の申請の流れについては、「法務省民事局 不動産を相続した方へ」(※1)に詳しい解説があります。
 
申請には書類がいくつも必要ですが、実際に必要な書類は下記の法務局ホームページ記載の資料(※2)をご参照ください。
 
本籍地が離れていることも多く、戸籍の収集だけでも費用だけでなく時間と手間が掛かります。そもそも、その不動産の権利を有する人たちとスムーズに連絡が取れるかどうかも不確かです。「猶予期間があるから」と先延ばしにしていては、家系図がさらに複雑になる恐れもあります。
 
法務局や司法書士などのプロに相談して、なるべく早急に相続登記を済ませることが重要です。“受け継いだ不動産をどうするか?”問題は、「これで完結」ではなく「ここから始まる」といっても過言ではありません。
 
後編では、「名義変更はできたけれど、この不動産どうする? どうしたい?」というテーマで、深掘りします。世間で話題になっている“使用目的のない空き家問題”も、決して他人ごとではありません。
 

出典

法務省民事局 備えて安心!令和6年4月1日から相続登記が義務化されます!
法務省民事局 不動産を相続した方へ 〜相続登記・遺産分割を進めましょう〜
法務局 相続による所有権の登記の申請に必要な書類とその入手先等
 
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

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