更新日: 2024.04.14 相続税
遺品整理をしていたらへそくりの「100万円」がでてきました。税金はかかりますか?
しかし、遺品整理で出てきたへそくりは、相続財産に含まれる点に注意してください。へそくりを使い切った後、実は相続税の課税対象だったとなっては大変です。本記事では、へそくりに相続税がかかるケースについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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へそくりとは?
「へそくり」とは、家族には内緒で貯めたお金を意味します。例えば、夫の給料で家計のやりくりをしている妻が、少しずつ節約をしたお金をタンスの中や本の間などに隠しておく行為です。貯めたへそくりは妻が自分のために使ったり、子どもの教育費にしたりするなど、利用目的はそれぞれ異なるでしょう。
へそくり以外にタンス預金という言葉もあり、自宅に現金を置いておく点は共通します。異なるポイントを挙げるとすると、へそくりは「誰も知らない秘密のお金である」という部分です。
遺品整理で出てきたへそくりは相続財産に含まれる
遺品整理で出てきたへそくりは、死亡した人が所有していた相続財産に含まれます。財産とは、以下のような経済的価値が高いもののことで、現金も相続財産の一つです。
・現金
・預貯金
・有価証券
・借地権
・不動産(土地・建物)
・動産(美術品・自動車)
民法第898条(共同相続の効力)にて「相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する」という規定があり、相続の手続きや遺産分割が必要です。そのため、遺品整理でへそくりが出てきたら、無断で使うのではなく、相続人と共有しましょう。
また、相続税申告後にへそくりが出てきた場合には、相続税の過少申告をしている状態なので、速やかに修正申告を行ってください。
へそくりに相続税がかかるかどうかは「誰のお金だったのか」がポイント
へそくりに相続税がかかるかどうかの判断基準は「誰のお金だったのか」という点です。妻が夫の給料の中からへそくりをしていた場合、貯めていたのは妻であっても元々は夫のお金と見なされます。 夫が亡くなった状態で、妻への贈与は認められません。当然ながら、へそくりに対して相続税がかかる可能性が高いため注意してください。
「へそくりは税務署に見つからない」と考えている人もいることでしょう。しかし、税務署は個人の過去の所得などからある程度の遺産総額を把握しています。遺産総額に対し、申告した相続税が少なければ、調査対象になる可能性が高いです。調査の際には、故人の預金口座だけでなく、相続人の預金口座も確認します。
税務調査後に相続税が課税された場合、相続税以外にも、過少申告加算税、延滞税がかかり、金銭的負担が大きくなります。
相続財産が基礎控除額を下回っている場合は相続税を納める必要はない
相続財産が基礎控除額以下であれば、相続税はかかりません。基礎控除額は、(3000万円+600万円×法定相続人の数)で計算します。例えば、法定相続人が1人の場合の基礎控除額は、3000万円+600万円×1人=3600万円となる計算です。
出てきたへそくりの100万円を含めた遺産総額が基礎控除以下であれば、相続税はかからず申告手続きも不要です。しかし、へそくりを含めて基礎控除を超えた場合は相続税の申告手続きを行わなければなりません。
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へそくりを見つけたら相続税の課税対象かどうなのかを確認しよう
遺品整理で出てきたへそくりに相続税がかかるかどうかは、そのへそくりが誰のお金だったかどうかが判断基準です。妻が夫の給料の中から少しずつへそくりを貯めていた場合、そのお金が妻のものであると考える人も多いでしょう。
しかし、給料を稼いでいた夫が他界した場合、そのへそくりは夫の相続財産として見なされ、相続税がかかる場合があります。貯めていたのは妻であっても、お金の出所は夫だからです。
可能であれば生前に親と貯めているお金の話をしたり、どこでどのように管理しているのかの情報を共有したりしておくとよいでしょう。そうすることで、出てきたへそくりの相続税について悩んだり、対処に困ったりすることを避けられます。
出典
国税庁 No.4102 相続税がかかる場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー