更新日: 2024.04.25 その他相続

「茨城の実家」を相続しました。売却するのと住むのとでは、結局どちらがおトクでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「茨城の実家」を相続しました。売却するのと住むのとでは、結局どちらがおトクでしょうか?
実家を相続した場合「売却するか、住むか」の選択をする必要があります。経済面だけではなく、生活設計など多くの事柄が絡むため、簡単には決断できない人もいるでしょう。
 
本記事では、茨城県の実家とは違う場所に賃貸で住んでいる方が実家を相続した場合を例に挙げて、売却するのと住むのとでは、どちらがお得になるのかを解説します。
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「売却」と「住む」、コストの違いは?

中古住宅の価格は、所在地や広さなどによって大きく異なりますが、今回は茨城県水戸市に物件があると仮定し試算していきます。
 

<モデルとなる中古住宅>

・所在地:茨城県水戸市
・築年数27年
・4LDK
・建物面積130平方メートル、土地面積330平方メートル

 
上記条件の物件の相場は2024年4月現在、1800万円ほどです。この情報を基に、売却する場合と住む場合での費用について解説します。なお「家の相続を受ける」と仮定するため、どちらの場合にも相続税がかかります。
 

売却する場合

まず、実家を売却するケースを考えてみましょう。家に買い手がついた場合、かかる費用は以下のものがあります。


・税金(譲渡所得税や相続税など)
・諸経費(仲介手数料やハウスクリーニング代など)

仮に家が1800万円で売却できた場合、最低でも150万円ほどの諸経費や税金がかかると考えられます。そのため、売却価格がそのまま手元に入るわけではありません。
 
ただし、売却価格や家の状況などによって費用は大きく異なります。また実家に住まない場合には、毎月家賃がかかります。毎月13万円の家賃を支払っていた場合、仮に今が30歳だとして定年を迎える60歳まで住んだとすると、家賃は4680万円になります。
 
ただし、住む場所や家の間取りによって家賃は変わるため、あくまで仮定での数字です。家を売却して1600万円ほど手元に入ったとしても、家賃を支払い続けると3000万円以上も費用が必要になる計算となります。
 
実家を売却する場合、諸経費や税金を払う必要があること、賃貸住宅に住む場合は毎月の家賃も必要になることを覚えておきましょう。
 

実家に住む場合

次に、相続を受けた実家に住む場合を考えてみます。実家に住めば、月々の家賃は必要なくなります。その代わりに、家を相続した際にかかる相続税や家に住み続けるための維持費、引っ越し費用などがかかります。
 
一戸建てに住む場合の維持費として代表的なものは、固定資産税のほかに修繕費やリフォーム費用、保険料などがあります。
 
一般的に外壁や屋根などは新築後10年~15年で、バス・トイレ・キッチンなどは15~20年程度でリフォームが必要といわれています。築年数がたっていれば、住む前のリフォームが必要になる可能性が高いでしょう。
 
外壁や屋根には50~250万円、水回りを含め家の中全体をリフォームすれば、トータルで400万円以上の金額が必要なこともあります。
 
また、職場から遠くなる場合、交通費の負担や通勤時間が長くなることも考えられます。さらに都心部から離れてしまうと、生活が不便になる可能性もあるでしょう。場合によっては車が必要となり、車の購入費や維持費がかかることもあります。
 
住む場合の注意点としては、相続税の支払いのために現金が必要な点です。相続税の納付は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月目の日までです。家を売却する場合には、買い手がつけば手元にお金が入るためそこから支払いできます。
 
しかし住む場合や、売却予定でも納付期限内に買い手が見つからない場合には、自らの貯蓄から支払わなければならないため注意が必要です。
 

「売却」と「住む」のとどちらがよいかは、状況によって異なる

実家を売却できれば、税金そのほかの費用が発生しますが、一時的に大きなお金が手に入ります。住むことを選択した場合、家賃を払う必要はありませんが、固定資産税やリフォーム費用などの維持管理費の負担が発生します。
 
また、実家が職場から遠い場合は遠距離通勤となり、生活サイクルにも影響する可能性があります。どちらを選ぶかは、ライフスタイルや経済状況を考慮して検討しましょう。
 

出典

国税庁 土地や建物を売ったとき
国税庁 相続税のあらまし 2 相続税の申告と納税(2ページ)
国土交通省 リフォームの内容と価格について(1、2ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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