更新日: 2024.06.03 贈与
祖父から「300万円」を大学の入学祝いで受け取りました。授業料や生活に使うなら「贈与税」はかかりませんよね? 税金が引かれないか心配です…
大学生活をする上で入学のお祝い金はありがたく受け取りたいところですが、贈与となってしまうので税金がかかってしまうのか気になります。そこで本記事では、入学祝いとして300万円を受け取った場合に税金がかかるのか、解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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お祝い金も原則として贈与税の対象となる
お祝い金は入学祝いや進学祝いとして贈られるお金です。贈与税は「個人から贈与により財産を取得した場合」に対象となる税金なので、祖父母や親戚から受け取ったお祝い金も贈与税の対象となります。
贈与税は基本的に税率が高い税金ですが、基礎控除があります。贈与税の基礎控除は、対象となる年の1月1日から12月31日までの1年間に110万円です。そのため、1年間で110万円を超えて財産を受け取った場合は、110万円を超えた部分について贈与税の対象となります。
本事例では、1年間で300万円を受け取っているので、基礎控除の110万円を差し引いた190万円については贈与税の対象となる可能性があります。
教育費や生活費として受け取る場合
原則としてお祝い金であっても贈与税の対象になりますが、場合によっては贈与税がかからないものもあります。その1つが、「教育費」や「生活費」として受け取る場合です。
父母や祖父母といった扶養義務者が子や孫に対して教育費や生活費を渡すことは当然の行為です。そのため、扶養義務者から子や孫が教育費や生活費を受け取る場合に「通常必要とされる範囲」であれば贈与税がかからないことになっています。
通常必要とされる範囲であるかは、贈与を受ける人の需要と贈与をした人の資力といったことを考慮して「社会通念上相当」といえるかを判断します。教育費については学費や教材費、文具費などが含まれ、生活費は生活に必要な食費、治療費といったものも範囲内です。
本事例では、お祝い金として300万円を受け取っていますが、学費や生活に必要な費用として相当といえる金額と考えられます。そのため、教育費や生活費として受け取った場合は贈与税がかからない可能性が高いでしょう。
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教育費や生活費の場合でも贈与税がかかる場合も
教育費や生活費で通常必要と認められる範囲であれば贈与税はかかりませんが、贈与税がかかってしまう場合もあります。例えば、生活費で余ったお金を子どもが貯金してしまう場合です。貯金した金額については、生活費として使用していないことから贈与税の対象となる可能性があります。
そのため、贈与税がかからないようにするためには、子どもも教育費や生活費として必要な金額を確認し、その金額のみを受け取ることが重要です。
事例の場合でも、名目上は教育費や生活費として受け取ったとしても、余った金額を貯金といった違う用途で使った部分については、「贈与税の対象となる可能性がある」ことを覚えておきましょう。
お祝い金も受け取る際に注意
祖父母や親戚からのお祝い金はありがたいお金ですが、受け取る際には注意が必要です。税金がかからないように基礎控除以内で受け取ることや、通常必要と認められる範囲内の金額を受け取るようにするとよいでしょう。
出典
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 扶養義務者(父母や祖父母)から「生活費」又は「教育費」の贈与を受けた場合の贈与税に関するQ&A
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー