更新日: 2024.07.21 贈与
子どものお年玉「200万円」を親名義の口座で貯金していました。就職祝いで渡すと「税金」を取られてしまいますか? お年玉なら“対象外”でしょうか?
本記事では、お年玉として貯めた200万円をそのまま渡したら贈与となるのか、贈与税の適用を受けないためにできることを紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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コツコツ貯めた「親名義」の200万円は贈与税の対象になる?
まず、基本的に誰かにお金を渡す場合、金額次第で贈与税がかかります。
贈与税は1月1日から12月31日までの期間に譲り受けた財産に対して基礎控除にあたる110万円を差し引いた残りの額に対して課税される制度です。
Fさんに渡すお年玉は200万円のため、贈与税が適用されないか不安を感じるかもしれません。とはいえ、子どものお年玉は基本的に贈与税の課税対象にはならないと明示されています。
お年玉は「年末年始の贈答」に当たるため、社会通念上相当と認められるすなわち一般常識の範囲内の金額であれば贈与税を支払う必要はありません。
8 個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝い物または見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの
しかし、今回のケースではGさんがこれまで自身の口座で貯めてきたお年玉の総額は200万円のため贈与税の対象となります。そのため、200万円から110万円を引いた金額に対して10%を掛けた金額の贈与税がかかります。
(200万円-110万円)×10%=9万円
また、現金ではなく、自動車や株式、貴金属といった方法でFさんに贈与した場合も贈与税の対象となるので注意しましょう。
FPがおすすめする、お年玉の「貯金」の貯め方と渡し方
現在、子どものお年玉をGさんのように親名義の口座で貯めている状況で貯金を渡すと、贈与の扱いとなる場合があります。
そのような事態を避けるためには、お年玉を貯金するための子ども名義の口座を開設しておくべきです。また、子ども名義の口座でお年玉を貯金していても、通帳を持っていたり入出金をしたりしている人が親だった場合も贈与の扱いとなります。
したがって、通帳は子どもに持たせておくようにしましょう。
そして、これまで親名義の口座でお年玉を貯めている場合であっても、以下の制度を利用すれば、贈与税の支払いを避けることができます。
・結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置
・住宅取得等資金の非課税の特例
・相続時精算課税
結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置は、子どもの結婚・子育て資金に充てる目的で子ども名義の口座に入金した金銭について1000万円まで非課税となる制度(2025年3月31日まで)です。
住宅取得等資金の非課税の特例は、住宅取得資金として贈与する目的であれば最大1000万円までの贈与について非課税となります(2026年12月31日まで)。
相続時精算課税は、原則60歳以上の人から18歳以上の子どもや孫へ累計贈与額が2500万円まで非課税となる制度です。子どもにお年玉をまとめて渡す際にかかる贈与税の支払いを避けたい場合は、これらの制度をうまく活用しましょう。
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まとめ
お年玉は原則贈与税の対象から外れます。しかし、渡し方を間違えると贈与税を支払わなければならなくなるので注意が必要です。まずはお年玉を貯金するための子ども名義の口座を開設して、管理も子どもが行うようにしましょう。
子どもに渡すお年玉が110万円超の場合は、結婚・子育て資金や住宅の取得費用を目的の贈与とするか相続時精算課税の利用をご検討ください。子どものためにお年玉を多く貯金している人は、贈与税として課税されないように注意しましょう。
出典
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー