更新日: 2024.08.12 贈与

帰省のたびに小遣い「5万円」をくれる祖父。年に3回もらっているのですが、贈与税はかかりませんよね?

帰省のたびに小遣い「5万円」をくれる祖父。年に3回もらっているのですが、贈与税はかかりませんよね?
祖父母宅へ帰省すると、お小遣いをくれるケースもあるでしょう。少額なら問題ありませんが、頻繁にお金をもらうと、贈与税の課税対象になるのではと考える方もいます。
 
贈与税は、基本的に基礎控除額を超えていなければ非課税です。ただし、計算をするときは合計額で考える必要があるため注意が必要です。
 
今回は、贈与税の課税対象になる条件や、贈与税の税率などについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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祖父から年に3回5万円ずつもらっているだけなら贈与税はかからない

贈与税には基礎控除額として110万円が定められています。基礎控除額を超えなければ、贈与税は課されません。祖父から年に3回、5万円ずつもらっていると、合計額は15万円です。基礎控除額には満たないため、贈与税は課されません。
 

ほかの親戚などからも贈与があれば課税対象になる可能性も

贈与税は、受け取った相手ごとに計算をするのではなく、1年間で受け取った合計金額で考えます。
 
例えば、祖父から年に3回5万円ずつもらい、叔父からは年に3回3万円ずつ、さらに将来のためにと500万円を遠縁の親戚から同じ年に受け取っていた場合、その年の合計額は524万円です。
 
このケースでは、基礎控除額を超えた414万円に対して贈与税が課されます。
 

贈与税率は財産を送った相手との間柄によって変わる

先述したケースを基に、税額を計算してみましょう。なお、贈与税率は受け取った本人が成人しているかや、成人しているときは財産を送った相手との関係によって変動します。
 
贈与を受けた年の1月1日において成人している人が、直系尊属(両親や祖父母など)から贈与を受けたときは特例税率、それ以外は一般税率です。
 
国税庁によると、1年間で受け取った贈与に両方の税率が適用される場合、贈与税額は次のように求めます。
 

(1)1年間の全体の合計額から基礎控除額を引いたあと、一般税率を使って税額を計算する
(2)(1)で算出した税額のうち、一般税率が適用される分の税額を計算する
(3)1年間の全体の合計額から基礎控除額を引いたあと、特例税率を使って税額を計算する
(4)(3)で算出した税額のうち、特例税率が適用される分の税額を計算する
(5)(2)と(4)の金額を合計する

 
今回は、成人した人が受け取っていると想定して計算します。
 
まず、基礎控除額を引いた合計額414万円を、一般税率で求めると59万2000円です。叔父と親戚から受け取った金額の合計は509万円のため、一般税率の金額「59万2000円×509万円/524万円」で計算でき、約57万5053円になります。
 
一方、414万円を特例税率で計算すると52万8000円です。直系尊属の祖父から渡された金額は1年間で15万円のため、特例税率分の税額は「52万8000円×15万円/524万円」なので、約1万5115円になります。一般税率分と特例税率分の税額を合計すると、贈与税は59万168円です。
 

基礎控除額を超えていても非課税になるケースがある

贈与された財産のなかには、贈与税が非課税になるケースもあります。国税庁によると、祖父母や両親などから受け取った財産のなかで、贈与税のかからないケースは以下の通りです。
 

・生活費や教育費のために必要となったタイミングで都度直接支払ってもらった費用
・特例を利用して得た住宅取得等資金のうち贈与税の課税対象に加算されなかった費用
・特例を利用して得た教育資金のうち贈与税の課税対象に加算されなかった費用
・特例を利用して得た結婚や子育て資金のうち贈与税の課税対象に加算されなかった費用

 
そのため、もし祖父がお小遣いとしてではなく生活費や教育費として直接必要な費用を支払っている場合は、その金額分は非課税となり贈与税がかかりません。
 

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1年間で15万円だけなら贈与税はかからない

祖父から受け取っている財産が年に3回で5万円ずつ、合計15万円のみで、ほかに誰からも贈与を受け取っていない場合は、基礎控除額以下のため贈与税はかかりません。ただし、15万円以外に贈与を受け取っており、合計110万円を超えていれば贈与税の課税対象になります。
 
なお、計算するときは贈与された相手が直系尊属かそれ以外かで税率が変わるため、計算時には間違えないようにしましょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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